<オンラインインタビュー>2人組ロックバンド「toitoitoi」が上野恩賜公園水上音楽堂で11月20日に開催するワンマンライブ『狼煙 vol.4』でのライブの楽しみ方を語る!

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ボーカルの岸川まきと、ギターのムラコシによる2人組ロックバンド「toitoitoi」が11月20日に上野恩賜公園水上音楽堂でワンマンライブ『狼煙 vol.4』を開催する。

コロナ禍で、来てくれるお客さんが少しでも不安を感じないようにと、野外で開催するワンマンライブ『狼煙』を今年から立ち上げた。
3月、7月、9月と3回行われ、11月20日が4回目となる。

toitoitoiのポリシーである「同じライブをやらない」の通り、毎回違った内容で毎回足を運んだファンを飽きさせることは無かった。

『狼煙 vol.4』に向けて、岸川とムラコシがオンラインでそれぞれの自宅からインタビューに応えてくれた。

これまで明かされることが無かった、コロナが蔓延し始めた早々に「屋内でのライブをやらない」と決めた判断の経緯や、自分たちはこれからどうすべきかをチームで話し合っていた状況など、今だから話せることを語ってくれている。

そして『狼煙 vol.4』では、VJを組み入れたり、応援グッズが来場者全員に配られることになっているが、これは過去3回のライブを経験して生まれたアイディアだったなど明らかにしている。

vol.4が初めての狼煙になる方も、これまで参加している方も、是非こちらのレポートを見てからインタビューをご覧ください。

toitoitoi ワンマンライブ「狼煙vol.4」

日時:2021年11月20日(土) 開場16:30 / 開演17:30
会場:上野公園水上音楽堂(上野恩賜公園野外ステージ)
チケット料金:チケット全席自由 3,800円(送料込、toitoitoi 応援グッズ付)
※応援グッズは当日受付にてお渡し致します
チケット発売:toitoitoiオフィシャル通販サイトにて発売中
http://toitoitoi.official.ec

toitoitoi オンラインインタビュー

改めて昨年から振り返っていただきたいのですが、2020年2月末のライブを最後に配信へと切り替わってしまいました。
それまで、ほぼ月1でライブをしていたお二人ですが、生でライブが出来なくなってしまった時、どんなことを考えていましたか?

岸川)割と影響を受けなかったように思います。
かなり早い段階でスタッフと、今後どうするかの話をしているんですよね。
toitoitoiとしてライブをどうするか、20年3月頭にはtoitoitoiチームで話を初めていて、当分の間はライブハウスでライブをしないって決めていました。
自分たちの心が乱れないようにすることと、お客様やライブハウスになるべく迷惑を掛けないようにと言う理由でした。

ライブハウス界隈がクラスター云々で取り沙汰された時でも、割と冷静に「なぜ私たちはライブをしないのか」と言う事をチーム一致で認識出来ていたので、かえって穏やかに過ごすことが出来ていました。

ムラコシ)岸川が言った通り、どういう理由でライブをストップする、どういう状態になったら再開するかをチームで明確に話をしていたので、方針も決まっていて迷いは無かったです。

その代わりに制作を頑張ってみたり、生配信を行ったりすることは出来たので、代わりのアクションは取れてましたね。

早い段階で方針を決められていたとのことで、次に何をやるべきかを前向きに考えられていたのでしょうか?

岸川)コロナが最初に広がった頃は、出演することが決まっていたライブに、私が直にライブハウスの方と電話をしてお話をして何件かお断りしました。
当時は、他のバンドはライブに出ていたり、でも私たちはやらないって決めていたり、それぞれ判断がバラバラだったので、申し訳ないなって。

だけどお断りを入れた相手から「絶対に謝らないでください、それは自分たちで決めた判断ですから」って。
「考えが違うだけだから謝ることじゃないよ」ってみんなが言ってくださったんですね。

なので、落ち着いたらこの方々とは必ずライブをやりましょうって約束をして終えることが出来たので、前向きだったのは確かです。

みんなで同じように前向きに進めるといいなって色濃く思えて、ライブが出来ない期間は中途半端な事だけはしないようにと自分の心に植えつけました。

それらを経て、2021年2月27日に開催した稲毛海浜公園野外音楽堂のフリーライブを皮切りに、 3月31日に「狼煙 Vol.1」、7月9日に「狼煙 Vol.2」、9月3日に「狼煙 Vol.3」、そして11月20日に「狼煙 Vol.4」と開催になりました。
このワンマンライブ「狼煙」は、どのような思いで立ち上げたのか教えてください。

ムラコシ)屋内でライブが出来ないから、野外でやろうってことが発端です。
ライブハウスだと不安がある人もいるので、外でやることでお客さんのリスクが少なくなるだろうと。
なおかつ、ワンマンライブという形を取れば自分たちの自由もきくので挑戦しようと言うのが背景です。

岸川)出来る限り安全と思える選択肢を増やそうとの思いで、外という選択をしました。
野外でやるのは面白いし、やってみたかった事なので、コロナ云々ではなく野外のイベントを立ち上げるタイミングとしていい時期じゃないかという話し合いもあり、開催に至りました。

コロナが終わってからやりたい事をを始めてもスタートダッシュは遅いよねって。
だから今からやっておいて、コロナが落ち着いた時には定着していて、toitoitoiの一つの要になっているように動こうって20年の夏には話し初めて、準備をして、始めたのが今年の3月でした。

当時ライブハウスが潰れる潰れないの話題になった時に、潰れないように私たちがライブハウスに出演して協力してしまったら、自分たちの我儘ですけど、自分たちがライブをやらないと決めた事を曲げてしまうことになってしまう。

後付けですけど、だったらライブハウスのスタッフさん達を巻き込んで野外でライブをすることで、ライブハウスに出演する以外の方法でライブハウスの技術やスタッフの力を発揮してもらえる場所を作ることが出来るんじゃ無いかって思ったんです。

ですので、今でも「狼煙」ではライブハウスのスタッフさん達に手伝ってもらってますし、音響の方に来ていただいたり、次回のVol.4は特別にVJの方に入っていただいて、ライブハウスシーンで活躍している方や他の音楽シーンで活躍している技術者の方も含めて、ライブハウスに行けない人にも楽しんでもらえる環境が作れるんじゃないかなって思います。

野外での開催は目標のひとつとして、以前からあったことだったのでしょうか?

岸川)ありましたね。

ムラコシ)タイミングは違いましたけど、ありました。

岸川)タイミングはもうちょっと先だったかもしれないですね。
ずっといつかはやりたいことの中に野外は入ってました。

今年のライブで野外を選択したのは、私は「コロナだったから」という言葉を使いたくなくて、狼煙をやり始めたのもコロナだからやっている訳ではなく「元々やりたいことを普通にtoitoitoiとしてやっているだけです」って最初の頃に発信していたと思います。

これまでの「狼煙」を振り返るといかがでしたか?

岸川)Vol.1をやった時は、やって良かったなって思いましたね。
やるべきだったって、めちゃくちゃ思った記憶があります。

あと、チケットを買っていただいてライブが出来る意味合いが大きくて、お客様に助けていただいてtoitoitoiで居られるなって思いました。

お客さんは声を出せなかったので「新しいtoitoitoiのライブスタイルを探しましょう」って会場アナウンスで伝えているんですけど、みんなはどういう反応をしてくれるかなって若干不安もありつつ、皆さん同じように楽しめるようにと結構張り切って望んだライブでした。

ムラコシ)Vol.1は初めてのスタッフ体制だったり、初めての会場で色んな制限があったりして、ドキドキしてましたね。
結果的には、その後も同じスタッフで続ける事になっているんですけど、良かったです。

お客さんに関しては、2月にやった稲毛でのフリーライブとは違って、チケットを買っていただいてどれだけ来てくれるかなって不安にはなっていましたね。

岸川)スタッフ陣と音響さんで課題になったのは、会場の音量制限がネックになっていて、だけど「外だし仕方ないよね」って事を避けたくて、Vol.2もVol.1と同じスタッフでやったこともあり、みんなが力を貸してくれて音響が格段に良くなりました。
機材を変えたり音量を上げたとかではなく、野外音楽堂の構造を把握した上でアイディアを出していただいてとても改善されました。

Vol.2でもまだ声を出す事が出来ない状態なので、手拍子だけしかレスポンスが出来なくて寂しいかなって思っていたんですけど、コール&レスポンスが必要なくなるくらいみんなが自由に楽しんでくれていて、感動したのを覚えています。

ものすごい一体感というか、グルーヴを感じました。
お客さんの声が聞こえないのに、聞こえたような瞬間が何度もありましたね。

ムラコシ)Vol.1と2では、客電を付けたままやっていたのでお客さんの顔がよく見えるんですよ。
ライブハウスだと、照明が自分たちに向けられているのでお客さん達の表情は見えないんですね。
ここだとビックリするくらいお客さん達の顔が見えるので、反応とか表情とか見えて楽しめました。岸川)Vol.3は、静かなセットリストでやりました。
Vol.1、2、3で何かしら変えていきたいって思いはあって、それは毎回同じ事をやらないっていう私たちの基本理念です。

Vol.2が終わった後に、次は何を変えようとか色々と考えた中で、お客さん側の照明を消す案が出たんです。
会場の規約があって照明は消せないことになっていたらしいんですけど、会場に伺ってみたら約束の範囲内であれば良いと許可が出たんです。
演出のひとつとして出来ることが増えたので雰囲気が出せるようになりました。

それでセットリストもおのずと静かな感じに変えられるなって。
あとは、Vol.2で感じたお客さんとの一体感を経て、私たちが誠心誠意音楽を鳴らすのを聞いていただくだけで、お客さんとtoitoitoiの空間は作れるんじゃないかなと挑戦をしたくて、ものすごく静かな曲を集めたセットリストにしてました。

Vol.3にもなると、飛躍的に会場の音響が向上していて、野外であんなに繊細な音を出せるのかってくらい良かったんです。

私とムラコシ君も丁寧に演奏していて、新しい境地に立てた良いライブでしたね。