<ロングインタビュー>二人組ロックバンド「toitoitoi」の解剖学。判明した二人の成分Vol.3「toitoitoi流ライブスタイルが出来るまで」

ミュージックtoitoitoi, インタビュー, ライブ, ライブハウス

ムラコシ君のひろがれ・ザ・ワールドはじまりのジャガジャーン♪は、天才的ですよね!
この間の新宿MARZのジャガジャンも良かったし、新宿JAMのジャガジャンもタイミングがすごい良かった。
新宿JAMのジャガジャンはホントに天才かなって思ったもん。

――― 岸川マキ

二人組ロックバンド「toitoitoi」のロングインタビュー。

Vo. 岸川まき
Gt. ムラコシ

唯一無二のライブパフォーマンスを展開するこの二人に聞きたいことが山ほどあったため、インタビューを依頼。
都内某所の居酒屋にてお酒を楽しみつつ、これまでに聞くことがなかったぶっちゃけトークを聞くことが出来た。

3回シリーズに分けてお送りしています。
最終回のVol.3は、ステージに絵を貼ったり、フロアに飛び降りたりと独自のライブを確立した過程についてご紹介。

いまのライブスタイルが出来上がる過程

後ろに布を貼ったりしている今のスタイルはいつ頃からですか?

●岸)元々は花などを使ってました。
視覚的にもなにかやりたいって思いがあって、最初は造花を敷き詰めてたんです。
衣装は私は最初から用意して着てたかな。

■ム)着てたね。3種類くらいあった。

●岸)ムラコシ君は私服で、私は衣装で。
絵に関しては、k:soul:y a.k.a YANという絵描きさんが見初めてくれて、彼が私たちのライブの横で絵を描く機会があったんですが、彼の描き終わった布が余ることがあって。
描いた絵が誰の物にもならないなら、じゃあもらって、ついでに貼ってしまおうかなって。
そんなきっかけもあって、視覚的なことは最初っからやってましたね。

■ム)場や空間を作るって感じにしたかったんです。

●岸)昔から言ってたのは、座ってギター弾いてるやつと座って歌ってるボーカルが面白い訳が無いって私の偏見があって。
今はそんなことないんですけど。

バンドをやりたかったっていうのが一番大きいんでしょうね。
バンドをやりたいのに二人しかいないっていうのをどうにか払拭しようっていうところで、最初に思いついたのが視覚的な方法だった。

その後に、動くことにたどり着いた。

■ム)最初にステージを降りたのはいつだろうね?

●岸)んー、思い出せない。
いつかは思い出せないけど、東京に出てきてからだね。

■ム)だね。

●岸)千葉から東京に出てきて、色んなバンドに触発されてからかな。
いま思うと、いろんなバンドと一緒にやらせてもらう機会が増えて、バンドのステージに勝つにはどうすれば良いかって考えていて。
確かに弾き語りと違って、バンドのボーカルは動くんだけど、じゃあ弾き語りとバンドは一体何が違うんだろうなって、同じだよなって思って。
そういう思いもあって、ステージから降りるパフォーマンスを始めたんだと思います。

■ム)イベントで一緒になったバンドたちに影響を受けて、触発されて、自分たちの形になっていったというか、結果的に他と少し違うことになっていったのかなと。

●岸)その点、ムラコシ君は昔も今も変わらないですね。

ライブの楽曲中にスラスラと言葉を紡ぐのは、事前に考えているの?

●岸)あれは状況的に浮かんでいる言葉なんですけど、上手、下手の観点で考えると、思い入れがあるかないかですごく影響してます。

始まる前に今日はどうなる、今日私はこう思ってる、みたいなことを頭の中で整理するんですけど、思い浮かばないこともあって、その時は行き当たりばったりでやる。

言葉がすごい下手な時は思い入れが無い時かもしれないし、逆に思い入れがあり過ぎて上手くいかない時もあるので、あまり考えないようにはしています。

基本的に考えすぎない時の方が上手くいくかな。
それが毎回上手くいけばいいんですけど、奇跡的な、化学反応的な時が一番上手くいったなって。
toitoitoiの出番前のバンドのMCとかと、その時の雰囲気がピタッと合った時は、何も考えなくてもぶわぁ~って言葉が出てきます。
そういう時は、何も考えなくてもライブメイキングとか、これをこうしてとか段取りが上手くいくし、なぜかムラコシ君ともピッタリはまるんですよね。

その時の感情を言葉で表現しているんだろうと分かっていながらも凄いなって感じてます

●岸)MCに関してもいつからはじまったことだか覚えてないんだよな。

■ム)最近はオバチャン化現象が進んで、喋らずにはいられなくなってるけどね。

●岸)あははは(笑)
なので、後ろに絵を張る、ステージを降りる、その次がMCだと思います。
別にずっとやってた訳ではないんですよ。
もっと歌に集中してた時代がありました。

ライブとして「MCも含めてライブ」にしているところはあるんですけど、いつからやろうと思ったのかは分からない。
ある日突然。
『ひろがれ・ザ・ワールド』かなぁ。わかんないなぁ。

■ム)わかんない

●岸)でも、ムラコシ君のひろがれ・ザ・ワールドはじまりのジャガジャーン♪は、天才的ですよね!
この間の新宿MARZのジャガジャンも良かったし、新宿JAMのジャガジャンもタイミングがすごい良かった。
新宿JAMのジャガジャンはホントに天才かなって思ったもん。

■ム)ちなみに、MCは3分くらいは短くできたよ。
もっともっと短く凝縮して、ドンと言って、バンって入れた。
俺がジャガジャンって入れたら「遅い」ってことだからね。

●岸)「早くやれよ!」って?

■ム)そうだよ!

●岸)知ってるよ!
それにしたってすっごい良いポイントでジャガジャンするから。

■ム)そうかなぁ?
僕はそもそも自分がお客さんの時に出演バンドのMCを全然聞かないもので。
そんなことより早く曲を演奏しろと。
まぁ、おもしろおかしいMCは好きなんですけどね。
MCで空気や流れを作るということに影響を受けてないもので。

●岸)ムラコシ君は無駄なMCを削ることに命を懸けてるんです。

■ム)うん、MCいらない。
まぁ、いらないとまでは言わないですけど、初めての人がtoitoitoiのライブを見てくれた時に、自分だったら暑苦しいなって思います。
例えば、最初の演奏を少し見て、「ちょっと良いかもな」って思っても、その後にいつもの岸川MCが来たら、「なんだこの暑苦しいのは!」って思っちゃうかな。
元から好きな人だったら良いんですけど。

新しいお客さんが気になるのはMCではなく曲だから。
toitoitoiはどちらかと言えば真面目っぽい曲・歌詞を演奏しているわけで。
だからもしその間に入るMCが、バカっぽくて面白いものだったら、いい意味で記憶に残るんでしょうけど。
そういう意味では岸川とはMCの価値観は合わないですよね。

●岸)それは合わんです。ずっと合ってないです。
うちら二人ともハイテンションじゃなくて、良かったね。

暑苦しいと言えば暑苦しいかもしれないけど、私はそんなに暑苦しくは無いと思うよ。

■ム)判断するのは見てるお客さんなんだよ!

スタッフ)まぁ、何かしらの方法で爪痕は残さないとね。

●岸)ちゃんと胸に訴えかけるような事はしたいなって思ってるんです。
いま着地してるのはそこだけど、別にこれじゃなくても良いなって最近思い始めてて。
何か新しい事はないかなって思い始めてる。
そういう意味では、真剣に歌を歌うってことに気持ちが返り咲いてるかな。

■ム)そういう時期ですか?

●岸)そう。いまは真剣に歌を歌うターンです。



[kanren postid="7175,6826,6747″]


[kanren postid="6860,6041,4923,4855,4805,4578,4601,4506,4488″]