<ライブレポ>2人組ロックバンド「toitoitoi」が約1年ぶりの有観客ワンマンライブ『狼煙 vol.1』を開催!岸川は「みんなからたくさん色んな事をもらって今ここに立っています。ありがとう」とコメント

ミュージックtoitoitoi, ライブ, レポート


桜の満開を迎え、公園内には多くの花見客が押し寄せている上野恩賜公園。
2021年3月31日(水)18時から公園内にある水上音楽堂でtoitoitoiのワンマンライブ『狼煙 vol.1』が開催された。

緊急事態宣言が明けたとは言え、まだ各方面に自粛要請が出ている中で行われたライブ。
会場への入場は、検温と手指消毒が徹底され、客席のベンチシートには、間隔を開けて座るように指示がある。

ワンマンライブは2019年11月22日に開催された「ケモノで GO!! ツアー」ファイナルのめぐろパーシモンホール以来となった。

この日、昼間は暑かったが、ライブが始まる18時には陽が落ち少し肌寒く感じるなか、これから会場を暑くする岸川まき(Vo)とムラコシ(G)が先日発表された新しい衣装を身に纏い、背景の幕間から登場する。

1曲目は「じょうろ」をアカペラで歌い始め、狼煙を上げた。

「toitoitoi ワンマンライブ「狼煙vol.1」」START

M01:じょうろ(アカペラ)

岸川)こんばんは、みなさーん!
千葉から来ました2人組ロックバンド「toitoitoi」でーす!
どーもありがとー!

M02:ベイビ
M03:お言葉散歩サビで歌われる「猫が鳴くニャー」という歌詞に合わせ、これまでは客席からも「ニャー」というレスポンスが聞こえていたが声を出せない状況の今回は、手を猫のようにマネた姿が多く見られ、岸川も同じく手を猫のようにして合わせ笑ってみせた。M04:先生 あのね

岸川)上野公園水上音楽堂toitoitoi ワンマンライブ「狼煙vol.1」にようこそ、皆さんおいでくださいました!
3月31日は年度末のしかも平日18時、誰がくるんだ?そんな忙しい時にって。
でも、いっぱい来てくれた!ありがとう!
本当に変な日にやってスミマセンって感じなんですけど、とっても嬉しいです。

皆さんもご存知の通り、コロナウィルスという強敵が現れて、私たちは去年の2020年2月29日以来お客様を前にしたリアルライブをやれないまま2020年を過ごしてきまして、数えたら364日目の2月27日、稲毛海浜公園野外音楽堂と言う私たちの地元でフリーライブという形でやっとリアルライブを再開することが出来ました。

正直、やらなくてもいいかな?、やらなくても何とかなるような気がしていて、フワーッとしたピンク色の霧に包まれているような気持ちになったんですけど、みんなの声とか、配信ライブとかでみんながtoitoitoiを求めてくれているのを感じていました。
音楽が与える力は私だけでは気付けないところもあるんですよね、私には音楽は近すぎて。

みんなが私たちに声を掛けてくれたお陰で「私はたぶん誰かの人生に必要だな」って胸を張って言えるようになりました。
ここに立っているのもみんなのお陰です、ありがとうございます。

今日がチケットを発売して、ワンマンライブと銘打って行う初めての日になります。
「狼煙vol.1」と名付けました。
とても分かりやすく狼煙を上げようという気持ちで付けたタイトルです。

私たちも決してコロナウィルスの事を忘れずに、対策をとりながら誠心誠意向き合って音楽を守っていきたいなと思っての開催なので、みんなと一緒にライブを作って行けたらなと思っています。
楽しませるのは私たちの役割なので、皆さんは心が赴くままに自由に音楽を楽しんでください。
一緒に声を出して歌ってはいけない状況なので、手をあげたりとか手拍子したりとか、好きなように見てください。

次は新曲なんですけど、新しいtoitoitoiのスタイルを今日からみんなで模索していければと思うので、ご協力お願いできますでしょうか?
声を出せない中でも手拍子をしたり感情を表に出す事はとても楽しい事だなと思っています。
この曲は未完成なので一緒に完成させていただけたら嬉しいです。

M05:ボノボ(仮)岸川)ありがとう、皆さん!
とても楽しかった!
ボノボと言う新曲でした、ありがとうございました。

M06:ブルーチリ
M07:キスキスバンバン
M08:オー・マイ・大地
M09:つばめ症候群(仮)
M10:春に散る岸川)この「春に散る」という今やった曲は去年のこのくらいの時期に出来ました。

人間というものは慣れるもので去年の今頃は雰囲気が違いましたよね?
すごく閉塞感があって、何も言われていないけれど責められているような気持ちになるような。
一人一人が選んで考えようね、なんて絶対に言えない雰囲気でしたね。
色んな人が居なくなったりとか、色んな人と会えなくなったり、そう言う環境が目の前で起こるようになってしまって、この曲を書きました。

私は春が大好きなんですけど、春が嫌な思い出にならないと良いなって、願いを込めて。
久しぶりに歌いました。
作ってからたぶん2回くらいしか歌ってないんだよね。

音楽を楽しむスタイルとか、人を元気付けたり応援したり、それぞれあるんだなって、この1年間で思いました。
今日、私は色んな所から声援が届いているような気持ちで歌っていて。

その中で、今日ここに居る人たちがどれだけ私に力をくれているのかとか、来られなくても私を必要としてくれているんだなって思うのも、ライブをして気が付く事とか、みんなを目にして気付くことがとても多くて、伝えたいことは「みんなからたくさん色んな事をもらって今ここに立っています。ありがとう」ということです。ありがとうございます。

コロナだから野外でやっているんじゃないんだよ。
こんな時だからって言葉が私は超キライで、全然こんな時だからやっているんじゃなくて、外でワンマンをずっとやりたかったの。
そのタイミングが今だっただけで、そのうちここが満員になるじゃん。
そのうち、もっと広い野外音楽堂でやるじゃん。
って言う画をずっと昔から描いていて、今年はそれを具現化する年にしようと思っています。
今日一緒にここにいる皆さんに加えて、今日来られなくてその時を待っているみんなとこの会場で回を重ねるごとに制約が解けて行って、いつの日か全員で大きな声で歌いあいたい。
そういう画を描いています。

みんなと歌える日まで続けて行こうと思っております。
狼煙、皆さん付いてきてくださいますか?
(客席から大きな賛同の拍手)
ありがとうございます。

正直、不安なこともたくさんありますし、何が正解かわからない世の中になってしまったけれど、私が歌ってみんながどういう反応をするかで私も新しい歌をどうやって歌っていくか、心に問いたいと思います。

♪少年少女大人子供偉い人弱い人

どうやって高らかに歌う?私一人で考えても意味ないもんね。
みんなで新しいtoitoitoiを研究していきましょう!

♪犬猫家族恋人友達 たった今幸せになれ〜
(いつもなら歓声が上がる場面でも声は出ず、代わりに大きな拍手で答えるオーディエンス)

M11:ひろがれ・ザ・ワールド
M12:狼煙
M13:熊本さん
M14:日常

インタビュー

ライブタイトルになっている「狼煙」について、どのような経緯で付けられた名前なのか、教えてください

岸川)単純明快に「狼煙を上げる」という言葉があるので、その意味合いが一番大きいです。

私たちのイベントやワンマンライブは、二文字の漢字をタイトルに付けていて、さらに自分たちの曲のタイトルになっているものを選んできていたので、私たちが今まで続けてきた事を継続しつつ、名付けたのが「狼煙」でした。

新しいタイトルを付けたライブでしたが、「リスタート」や「再起動」など、どのようなイメージなのでしょうか?

ムラコシ)これまでリアルライブができなかった期間も配信ライブや音楽自体では色んな挑戦はしていたので、再スタートという感じではないですね。
地続きで手段や方法が変わっただけで、ひとつの線上にはある気持ちでやってます。

岸川)私もそうだな。
再スタートという感じではないけれども、みなさんがそれぞれ思っている、口に出さなくても何か心で決めて動いていた期間だと思うのでこの1年間くらいは。
私たちもそうだし、お客さんとか、私たちを好んで聞いてくださる方もそうだと思うので、それに対してひとつ扉を開ける作業をした方が分かりやすいかなというような気持ちはありました。

「ただいま」「おかえり」というような言葉のほうが表現としては近いかな。
例えば公園で一回解散して、もう一回遊ぼうぜ、みたいなイメージ。

約1年ぶりの有観客ワンマンライブをやってみてどうでしたか?

岸川)責任感はありましたね。
自分がライブという行為をして、お客さんからエンターテインメントとしてお金を頂戴する人間なんだっていうのを再度自覚しました。
やっぱり自分の中で緊張感あって、絶対に楽しんでもらわないといけない、まずそれがゼロ地点でした。
楽しんでもらった上でプラスαと言う気持ちは、演者とお客さんのお互いの立場じゃないと生まれない感情だなって再認識しました。

ムラコシ)楽しかったです!
前回の稲毛も楽しかったですけど、より体勢も整ったし、気持ちよくできました。
お客さんの顔もよく見えたし、ひとつ上のライブが出来たんじゃないかなと思いました。
お客さんにもそう感じてもらえたら嬉しいです。

toitoitoiのライブといえばお客さんとのコールアンドレスポンスがひとつの醍醐味ですが、今回も声を出せない制限がありました。
この状況をどのように感じられましたか?

岸川)お客さんはさすがだなと思った。さすがtoitoitoiキッズだなって。
心が赴くままに手をあげたり手拍子したりしていて、別に決まり事が無いのに勝手に歩み寄って来てくれているというか、一緒に作ろうとしてくれているのを感じて、心が通うというのはこういうことなんだなって、通ってるなって。

ムラコシ)確かにそういうのはあったね!

岸川)「ひろがれ・ザ・ワールド」の時は何も決めていなくて、どうなるかな?って自分でもワクワクしていたところではあったんです。
これを何回かやっていくと、もっとすごいのが繰り出されてくると思うんですよ。
キャッチボールじゃないですけど、それはたぶん出来るようになると思います。
私たちももっと上手になると思うし、みんなもこの「狼煙」で楽しみ方がまた生まれたらいいなって、ワクワクするやりとりでした。

今後の『狼煙』シリーズについて

ムラコシ)毎回違うことをやりたいですね。
見え方なのか、曲なのか。

岸川)toitoitoiはね、同じことをしないのがモチーフみたいなものなので。
しばらくは同じ会場でやっていくつもりなんですけど、最終的にはもっと広い野外会場でやりたいです。
現状のシンプルな形からどこまでtoitoitoi色に染められるかというのは、規模だったり私たちの実力だったり、それこそ集客だったり、そう言う事で変わってくるので、一緒に成長しながら「今回こうなったか!」って楽しんでもらえる継続的なワンマンライブにしていけたらと思ってます。

いつも通り「次回はもっとすごいです」ってことです。

インタビュアー)同じ会場で続けて開催となると、お客さんも「次は何が違うのかな?」っていう期待は高まっていると思います。

岸川)そうですよね。
アイディアはこれから出していくけど、同じものは私たちのポリシーに反することですからね(笑)

ライブでは声が出せないから、何かそれに値することが出来ないかなって考えていて。
それとか、手拍子だけの曲を作るとかね。何でも出来るよね。

ーーーライブ後にお時間いただき、ありがとうございました。

セットリスト

「toitoitoi ワンマンライブ「狼煙vol.1」」
01:じょうろ
02:ベイビ
03:お言葉散歩
04:先生 あのね
05:ボノボ(仮)
06:ブルーチリ
07:キスキスバンバン
08:オー・マイ・大地
09:つばめ症候群(仮)
10:春に散る
11:ひろがれ・ザ・ワールド
12:狼煙
13:熊本さん
14:日常

これからオーディエンスとの「対峙」が始まるかもしれない

コロナウィルスの蔓延により、大打撃を受けたエンターテイメント。
去年2020年は、未知なるウィルスに対しての対策がわからず、公演の中止や延期を余儀無くされてしまう年になってしまった。
観客動員は50%以下、声を発しないなど、制限が設けられ、やっと開催出来ることになった。

いままで出来ていたことが出来なくなる。
よく言う言葉になってしまったが、いままで当たり前に出来ていたことが出来なくなり、ニューノーマルが幕を開けた。

ライブの醍醐味である声援やコールアンドレスポンスが出来なくなり、アーティストに答える方法は拍手や手を振るなど、観客もストレスがたまる物へと変化した。

ご多分に漏れず、toitoitoiのライブも声援やコールアンドレスポンスが自然発生的に行われる。
それが禁止された今回のライブでは、ボーカルの岸川もライブ中に「みんな本当に声を出さないんだな!」と発したほど、オーディエンスは最新のルールに則り出来る限りの最大限で楽しむようにしている姿がそこにあった。
しかし、心の中では叫んでいただろうし、コールアンドレスポンスをしていたことだろう。

このウズウズした気持ちをどう表現するか、どう表現させるか、次に集う時までにtoitoitoiの二人もオーディエンスも考えてくるのではないか?
toitoitoiの2man liveタイトル「対峙」同様、次回、toitoitoiとオーディエンスが表現でぶつかり合い、対峙が見られるのではないかと思っている。

有観客が禁止されたことで、これまでに無かった配信ライブが当たり前になり始めている。
禁止されることが増えたら、それに変わる何かを考え、それが新しい当たり前になっていく。

たぶん今後のtoitoitoiライブも、新しいアイディアが生まれ、数年後にはそれがtoitoitoiライブの当たり前になっていることだろう。

いまが過渡期。
これまで多くのライブに参加しているファンも、これまでライブに行けていないリスナーも、これからtoitoitoiと一緒に新たなライブの形を作っていける共同作業に参加できることは、コロナの影響があったからとポジティブに捉えてみようと思う。

【生配信】toitoitoiステーション上野打ち上げ編 ~春のtoitoitoi祭~

配信日時

2021年4月10日13時~

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岸川まき

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