<ゲネプロ&囲み取材>山沖勇輝、福久あや香、宮下雄也など出演舞台、tetsutaro produce vol.5『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』8日まで下北沢にて上演
役者・演出家・脚本家の新里哲太郎がプロデュースをする舞台“tetsutaro produce”の第五回公演となる『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』が、10月3日、下北沢 小劇場 B1にて開幕。
その初日公演を前に、ゲネプロと囲み取材が行われた。
劇団居酒屋ベースボールの副代表、俳優として活躍する一方、脚本家・演出家としても精力的に活動し、演劇界から熱い注目を浴びている新進気鋭の新里哲太郎。
15年から筆をとり、『竜の落とし子』『狼少年タチバナ』などを発表。人の内面、心の動きに一番のドラマを感じながら作り上げる彼の舞台は独特な“人間臭く、肌に触れてくるような世界観”を表現し、巧みなセリフ運びによる重厚な人間ドラマの作り手として高い評価を得ている。
今作は、殺人を犯し死刑執行が直前に迫った父とその二人の息子、そして彼らをとりまく人々の心理に迫った内容。
主演は数々の舞台で注目の若手俳優・山沖勇輝。
ヒロインには舞台を中心に活躍を魅せる元劇団四季の福久あや香。
そして舞台、TV、声優で人気の宮下雄也など、多彩なキャストが集結した。
囲み取材
新里哲太郎
作・演出の新里は、「三年ほど前から、裁判物を書いてみたいと思っていたのですが、その頃から、自分がもし犯罪者だったら、もし犯罪者の身内だったらと真剣に考えるようになったんです」とこの作品を書いたきっかけを明かし、「犯罪に陥ってしまう人の心をわかってあげたいというよりも、こういうことがあるから犯罪が起こるんじゃないか――というようなことを、本気で書きたいと思い、挑戦しました」と本作への思いを語った。
山沖勇輝
犯罪者の息子二人のうち、弟役の山沖勇輝は、「リアルを追求したくて、実際に死刑執行を待つ方の記事を読んだりもしました。この役をやってみて、改めて生きていくことの大変さを感じ、同時に、自分のなかにあるストレスが実は、人生、前に進んでいくために必要なものでもあるんじゃないかと思いました。
重たいものを背負っている役ですが、背負っているものを舞台上で思いきり出していけるよう、毎日戦いながら、精一杯演じたいです」と強い意欲を見せた。
福久あや香
その弟に寄り添う恋人役の福久あや香は、「犯罪者の息子である彼に対して、どう接していくか。気を遣いすぎてもいけないし、優しさの出し方について考えています。
後半は犯罪被害者遺族になってしまうシリアスな部分もあるのですが、前半は恋人をどうやって笑顔にするかということを大事にしたいと思っています。
重いテーマのなか、私の役はにこにこしていることが多いので、皆さんにひっぱられないようにしたい」と笑顔で話した。
宮下雄也
死刑執行を待つ父を演じる宮下雄也は、「コンプレックスの塊のような役ですが、すごく共感できるせりふがあるんです。攻めたテーマ…攻めたという言葉は好きではないのですが、この作品がどうお客様に届くかが楽しみです。必ず胸にささるような言葉や仕草があると思います。生身の人間が、熱量出して、ハートで勝負して、舞台の上で生きている、その生き様を見てほしい」と目に力を込める。
兄弟の兄も演じる新里は、最後に「重い作品ですが、笑っていただけるシーンもあります。人生、泣いて笑って怒って、ですから。その感情を全部さらけ出して、役者もお客様も一緒に心を動かせる空間にしたい。お客様にも一緒に舞台をつくりに来ていただきたいです」と話した。
PHOTO
tetsutaro produce vol.5『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』
作・演出
新里 哲太郎
出演
山沖勇輝
篠原功・宮下雄也・福久あや香・田中翔
橋本仁・金子さやか・三本美里・たくぽん・小林宏樹・川﨑珠莉
新里哲太郎
会場
下北沢 小劇場 B1
公演スケジュール
10月3日(水)~10月8日(月・祝)【全10公演】
3日(水)19:00
4日(木)14:00 / 19:00
5日(金)19:00
6日(土)14:00 / 19:00
7日(日)14:00 / 19:00
8日(月・祝)12:00 / 16:00
チケット
一般当日 ¥5,200
スタッフ
舞台監督:吉田慎一
音響:小川陽平
照明:申政悦
美術:阿部真一郎
チラシデザイン:(株)エーティーワークス
チラシ写真:Sunseed
プロデューサー:樫村英美
特別協賛
Clown on Crown
企画・プロデュース
tetsutaro produce
新里 哲太郎 プロフィール
tetsutaro produce 主宰
劇団居酒屋ベースボール 副代表
沖縄県出身
ネバダ州立大学リノ校 芸術学部 演劇科 卒業。
在学中には役者として芝居を主に学びながら、自らも脚本、演出を手掛け 20作品の公演をプロデュースし、学内優秀生徒として卒業。
2010年に劇団居酒屋ベースボール入団以降、役者、演出として、えのもとぐりむと共に活動。
外部でもメインどころの役者として活動する他、田口トモロヲ主演舞台「CLOUD」や、週刊少年ジャンプ掲載の樋口大輔作「ホイッスル!」の舞台版の演出助手も務めたり、水野美紀企画ユニット”かくたすのいるところ”や劇団鹿殺し丸尾丸一郎プロデュース「竹林の人々」などで演出部を務めるなど、年間20作品以上の作品と関わり活動中。
2015年からは自らも「雨ウツ音ナリツヅ9日々」「竜の落とし子」の二作品を脚本、演出を手がけ出す。
2016年は野生児童プロデュース「流砂ゑ堕つ」、2017年はICHIGENプロデュース「IRIS-虹彩」、自身のプロデュース「狼少年タチバナ」(作:渋谷悠)を演出。
舞台上での役者の“生き方”を説きながら独自の演出法で作品と向き合い、観客からも大きく指示を得ている。
2018年度にはその演出力を買われ、秋元康の旗揚げ劇団、劇団4ドル50セントの旗揚げ公演にて演出補佐として演出協力と演技指導を手掛ける。
さらに8月、10月と自身のプロデュース予定。
11月には外部での演出を予定。
今注目するべき若手演出家の一人。
LINKS
公式サイト:https://tetsutaro-producetheatre.themedia.jp/
Twitter:新里 哲太郎(@AJTETSU)