Blue Print主宰JUNさんと作・演出の福島カツシゲさんに聞いた次回作『父親参観日』のこと

ステージBlue Print, インタビュー, 劇団SET

「SMAP×SMAP」や数多くの有名アーティストの振り付けを手がける、ダンサー・振付師のJUNを中心に結成したEccentric Dancetainment Crew「Blue Print」。

メンバーには、ストリートダンス世界大会チャンピオンのTATSUO。
DA PUMPメンバーのTOMO。
劇団SETの大竹浩一。
映画、ドラマに多数出演中の山根和馬。
各ジャンルで活躍中のダンサーKUNI NISHIZAWA/ATSUSHI/MAEDA。
舞台版「逆転裁判」などの作品も数多く演出している劇団SETの大関真などが在籍している。

Blue Printは、エキセントリック・ダンステイメントをコンセプトとし、個性溢れる登場人物達が繰り広げるコメディーにクオリティーの高いダンスパフォーマンスを取り入れ、演劇、ダンスの枠に捉われない総合エンタテイメント作品を創作している。

そんな彼らの次回公演「父親参観日」が8月に渋谷にて上演する。

Eccentric Dancetainment Crew Blue Print Vol.7
「父親参観日」

完成チラシ
​【脚本・演出】福島カツシゲ

【出演】JUN / KUNI NISHIZAWA / TATSUO / ATSUSHI / MAEDA / TOMO(DA PUMP) / 山根和馬 / 大竹浩一(劇団SET)

【会場】CBGKシブゲキ!!
東京都渋谷区道玄坂2-29-5 ザ・プライム6F

​【参観日】2017年8月2日~6日
  8月2日(水)19:00
  8月3日(木)19:00
  8月4日(金)19:00
  8月5日(土)13:00 / 17:00
  8月6日(日)12:00 / 16:00
  ※開場は開演の30分前となります

【料金】前売り¥4,800 当日¥5,300(全席指定)

【チケット】カンフェティ:「父親参観日」ページ
      0120-240-540 通話料無料・オペレーター対応(平日10:00~18:00)

【お問い合わせ】blueprint-bp@gmail.com​

JUN&福島カツシゲ稽古場インタビュー

都内某所の稽古場にて、Blue Print主宰JUNさんと作・演出の福島カツシゲさんに、次回作『父親参観日』のことや、Blue Printの成り立ちなどをお聞きしました。
また、お二人とも劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)との縁があることもあり、その事もお伺いしました。

Blue Printを結成したきっかけは?

JUN)2011年にダンス公演を作ったんですね。
今いるメンバーを使ったりしたんですけど。
30人ぐらいで作ったのかな。
ちょっと物語があるような、芝居はないんですけど、ダンスの公演みたいなものを作りました。

僕は昔「Meltin‘ Pot(メルティン・ポット)」と言って今と同じような、ダンサーが芝居をするダンスと芝居の融合みたいなものをやっていたんですね。
それを何年かやって辞めてしまったんですけど、まわりから「そういうのもうやらないんですか?」って後輩たちから言われて「じゃあやる?」みたいな話になって。
SETの大竹浩一とはその時すでに知り合ってて、大竹に「こんなのやりたいんだけど、どう?」って話をしたら同じくSETの大関も入れたいってなって、始まったのがBluePrintですね。

JUNさんが劇団SETと関わり始めたキッカケは?

JUN)劇団SETに所属していた、水木英昭さんプロデュースの1997年5月「NAKED POLICE」@新宿シアターサンモールにて、カポエラをやりたいと言っていて、誰かの紹介で水木さんと会ったのが最初です。
そして、劇団SET本公演の振付をしてた人が離れるとのことでそこから僕が交代で入りました。

劇団SETのレッスンもされていたんですか?

JUN)一時期はやってました。
それこそ、大関が劇団の研究生だったころ、卒業公演に関わってます。
研究生に関わったのはそれ1回きりで、その後は本公演だけです。

本公演では何曲くらい振付を?

JUN)作品にもよりますけど、多い時は結構あります。
色んなものをやりましたよね。
日本舞踊、ソシアルダンスもあるし、物語に合ったやつをやらないといけないから。

今でこそダンサーが芝居をやる事はあるけど、自分が関わり始めたその当時はあまりなくて。
芝居の人は芝居、ダンサーの人はダンスって分かれたけど、SETの子たちがちょっとずつ踊りも踊れるようになってくると、芝居の踊りにちゃんとなってくるから、観てて違和感が無いっていうんですかね。
違和感があるのってあるじゃないですか。急に動き出したなってやつが。SETではそういうのはあまり無いかな。

福島)五朗さんと一緒にやったりしてたんですか?
※五朗さん:岸谷五朗さんのこと。以前は寺脇康文さんと一緒に劇団SETに所属していた。

JUN)五朗さん達は辞めた後だね。

福島)五朗さんも言ってましたけど、踊りを踊る時にダンスをするなって。役者としてその踊りの意味合いも含めて踊ってほしいと。
僕も地球ゴージャスで踊らせてもらいましたけど、役者が踊ると下手くそなんですよ。
でもそれで良いって、意味があってそこは踊っているんだからっていう考え方なんです。
それでいうと、ブルプリにも繋がっていくんですけど、良いなって思いましたね。

※:福島カツシゲさんは、岸谷五朗さんと寺脇康文さんの演劇ユニット「地球ゴージャス」の下記の作品に参加しています。
1999年:地球ゴージャス「地図にない街~ドヘネケヘキシン」 (岸谷五朗・寺脇康文主演)
2002年:地球ゴージャス「KARTE」 (岸谷五朗・寺脇康文・西村雅彦・高嶋礼子主演)
2004年:地球ゴージャス「クラウディア」(岸谷五朗・寺脇康文・本田美奈子.・風間俊介主演)

曲の振付と舞台の振付では全然違うと思うのですが

JUN)全然違うけど、舞台の振付は面白いですね、やってて。
ただ踊っているのって僕は飽きちゃうんですよ。
カッコイイダンスを見せつけられてる感じがあまり好きじゃなくて。
なんかそこに物語があったりとか、シーンになってるとかだと、プラスアルファがあるからそっちの方が好きなんでしょうね。

福島)ダンスの意味合いは観てる側も発見したくなりますよね。

JUN)やっぱり、舞台もそうだしテレビもそうなんですけど、演出家やディレクターと話し合いながら作りますね。
彼らはダンスをあまり分からないじゃないですか。
でも分からなくても「この方が面白いんじゃない?」って伝えてきます。
彼らのその発想が面白いですね。
「こんなイメージでこんなことやって」って言われて動いて見せて、こっちからは「こんなのどうですか?」って言って見せて。
何回もやりとりをしていって、いまでもそうやって作ってます。

劇団SETの本公演だと、三宅裕司さんから指示があるんですか?

そうですね。
まあ、三宅さんからというよりは、三宅さんが演出助手に話して、僕は演出助手とやり取りをしてますが。
三宅さんの中でイメージがあるんですけど、ある程度は任せてくれています。
三宅さんからは「ガチ、かっこいいやつが欲しい」ってザックリと指示があるぐらいです。
実際には赤堀や大竹なんかが出てきて、こーしてあーしてって作っていってますね。

※赤堀:赤堀二英さん

Blue Printの特徴を表すとしたら?

JUN)なんだろうね。
言葉は分からないけどけど、うちは色んなジャンルなんですね。
チームって普通は踊り方が似てるんですよ。
ブルプリはユニゾンをやっても絶対に合わないですよ、みんなのジャンルがバラバラすぎて。
でも、ブルプリはそこを目指している訳では無くて、それぞれの個性が立って一人ひとりがちゃんと見えてくるような団体で居たいなって思います。

あとは、芝居の中に違和感なくストリートダンスが入ってくるみたいな感じなんですけど。
それを何と言ったら良いのかw

福島)にぎやかです!w
にぎやかなグループ。ん?グループ?ユニット?

JUN)どーなんだろうなぁ。
あ、劇団!

福島)劇団!?あはははは。

さっきの演出の話じゃないですけど、演出側が「このシーンはこんな風に見せたい」って言うと、普通のチームだと、振付を担当してる一番偉い人があーだこーだ言ったり、その人が悩みだしたりとかするじゃないですか。
ブルプリは違うんですよ。
JUNさんがみんなに振り分けて、それぞれに「この部分は作って」とか言ってるから、あっちこっちで振付が始まるんです。
みんなに任せちゃってるんですよ。
もちろん最終的にはJUNさんが全体を見てストーリーに違和感なく整えてくれるので安心してます。

なので、みんなが黙って待ってたりとか、見てたりとかっていう時間が無いです。
みんな動いてやってたり、こっちでやってるのに、あっちでは別なことをやってたりとか。
そのスピード感がすごく心地いいです。

JUN)だからあんまり作らないですもん、俺!

福島)あはははは!

JUN)このブルプリでは。他の所は全部作るじゃないですか。SETもそうだし。
でもここでは振っちゃうの「ここやって」って。「こんな感じ」って。
それで作ってきたものをいじっちゃうみたいな。
普通はそんなことないんだけど、ここではそれが当たり前になっちゃってる感じがしていて、やりだすと早いんです。
ただそれまでが時間掛かるんですけどね。

福島)今回の舞台「父親参観日」をやり始めようって言ったのが半年前のことなんですね。
こう言う内容で行こうってなったのが3月くらいに決まって。
その時に物語の頭からお尻までのロングプロットは出来てたんです。
それぞれの役はこうだよね、この人はこんなだよねって創ってきてるから、みんなもじゃあ踊りをやろうってなった時には自分の役のイメージをしながら踊れると思うんですよね。
それが早さにも繋がっているんだと思います。

今日、僕が稽古場に来る2時間位前はみんなでやっててもらって、僕が来てから、みんなが作ってたそのシーン見せてもらうと「あぁこれで行きましょう」って感じになってました。
あとはおかず的な面白いところをちょっと入れてぐらいなもんで、楽しいオープニングが出来ました。

芝居+ダンスになることで表現に豊かさが出る?

JUN)最近は他でも多くなってきているとは思いますが、ブルプリはやり始めたのは早い方かなとは思います。

あと、どちらかと言うとジャスダンス系が多いですね。ミュージカルだとかパフォーマンスとか。

でも、ストリートダンスとかこれだけ色々なジャンルのダンスが入っているのはなかなか無いかな。

しかも、けっこう出来る子たちが居るのは珍しいと思いますね。

今回の『父親参観日』ですが、作・演出に福島カツシゲさんを起用した理由は?

福島)俺、聞かないようにしましょうか?w

JUN)元々彼の事を知ってたんですよ。
知ってるけど自分の発想の中では、前作に続いてで大竹に書いてもらおうかなって思ってて。
前作は大竹が書いて自分が演出して、みんながいじってぐちゃぐちゃにしてったみたいな感じにしたんですね。
次の話って時に大関が「福島さんどう?」って言ってきて、「あー居たね!」ってなって。
一度、顔合わせじゃないけどみんなで飲みましょうって。
メンバーってその時に芝居だとかその人の事を見るんですね。
その時に言ってたテーマとかこんな感じっていうのが、みんな「すげー」ってなったんです。
それでワークショップをやってもらった時にも、今までは大関が演出してやってたんですけど、彼がやるとまた全然違う感じで面白い人だなって。
みんなも「やってほしいです」ってなりました。

福島)ぼく、面白い人なんです!!
福島)でもまぁ、最初にみんなで集まって話をした時の物語は今回一切入ってないですよ。
集まった時に、ブルプリだったらこうしたいとかみんなの話を聞いたり、こういうやり方はどう?とかって話をしてて。
半年前からちょっとずつ役についての話をしていってましたね。

いままでは台本が届いてセリフを読むっていうやり方をどのお芝居もやってると思うんですけど、
そうじゃなくて、そのキャラクターが出来た時にセリフは設計図でしかなくて、セリフと言うよりは会話をしようと。
会話が出来た時にお芝居になってくるからっていうので、半年前からちょっとずつやってくるってやり方ができましたね。
だからそれは、みんなやJUNさんに理解があって、そのやり方が面白いなって共感してもらえたから、出来たやり方だと思うんです。