<三宅裕司&小倉久寛インタビュー>「劇団創立当初はお客さんに謝ったこともあります」劇団SET第59回本公演『太秦ラプソディ~看板女優と七人の名無し~』10月上演&劇団こどもSET第3回公演『世界中がフォーリンラブ』8月上演
劇団SET第59回本公演「太秦ラプソディ~看板女優と七人の名無し~」について
昨年に続いて、今年もコロナ渦での本公演になってしまいそうです。
昨年の稽古では初めてのことばかりで苦労されたと思われますが、今年は如何でしょうか?
三宅)稽古は大変です。
密にならないようにしての稽古ですから。
密になってやるから、大きい稽古場が必要で、みんなで集まって稽古するのが芝居です。
それを少しずつの場面で稽古して、出番が終わったらすぐに帰る。
それ自体大変なんですけど、SETの場合はコメディーなので、みんながいる中で稽古してみんなが笑う事も必要なので、それが出来ないのは大変です。
逆に劇団員にしかウケないものは、稽古場で見ている劇団員がそこに居ないから無くなりますよね。
「あれ?劇団員はあんなに笑ってたのに、本番じゃウケないな」って言う事は無くなります。
ただ、去年の本公演と違うのは、前回は芝居の設定で役者全員が透明マスクを付けてましたが、今は色んなことが分かってきて、お客さんと役者の距離感や観客席の規制も決められたことをきっちり守っていればだいぶ緩和されてきました。
前回の初日カーテンコールで、小倉さんが大変だったことを話して涙していたのを覚えていますが、小倉さんがこの稽古で大変な事とはどんな事ですか?
小倉)稽古場にはその場面の演者しか居なかったんです。
あとは、演出家と舞台監督と関係者が数人居るだけです。
稽古ではコメディーだとバカな事もやるじゃないですか。
やっても反応が無いんですよ。
だから不安でしたよね。
お客さんが入ってくださる有難さ。
今までよりは少なかったですけど、有難さを痛感しました。
この前の熱海五郎一座の舞台でも感じましたし、去年の本公演でもそうでしたが、来場が50%に制限されていてる中で、お客さんが応援してくださるパワーは、満員の時と本当に変わらないんです。
お客さんも倍の応援をしてくれているんだなって分かりました。
本当に有り難かったですね。
前回はワクチンを題材にして、今回ははクラウドファンディングやネット動画に関して扱っておられます。
劇団SETは時代を先読みしている感じで題材を選ばれていますが、今回のあらすじをお伺い出来ますでしょうか?
三宅)時代劇が衰退している中で、時代劇が好きな大部屋俳優がどうやって時代劇を維持していくか。
それを応援していく看板女優がいます。
そこにクラウドファンディングなど現代の要素が入っていまして、韓国の映画界が入ってきたり、ハリウッドが来たりします。
撮影所はいろんな映画を作る場所ですから、時代劇だけではなく、ミュージカル映画の撮影シーンがあってもいいんですよ。
そういう意味では何でも出来ますよね。
時代劇に命を掛けているけど、衰退している中で、大部屋俳優たちの夢をどう叶えていくか。
看板女優との恋愛とか、人生とか、色んなことが絡んできて、最後に感動的なエンディングをどう迎えていくかって感じです。
まだまだ脚本になっていく段階でどんどん変わっていきますし、色んなシーンが作れるのでこれからが楽しみですね。
階段落ちを言われていたけど、現場に行ったら3段しかなかったりして(笑)
そんなことも出来ますからね。