<toitoitoiインタビュー②>toitoitoi tour 2023→2024「toitoitoi presents『1013』vol.4 」フロアに飛び出てお客さんの真ん中で歌う理由

ミュージックtoitoitoi, インタビュー, ライブ, ライブハウス

「toitoitoi presents『1013』vol.4 」インタビュー第2弾

toitoitoiが西永福JAMとコラボレーションし、2020年10月13日に制定された「toitoitoiの日(1013)」。
今年4回目が行われ、フロアは満員のオーディエンスが詰めかけ、大盛況で幕を下ろした。

今回インタビューでは、コロナ禍での葛藤や期間中の行いが今後のtoitoitoiを左右することになった出来事などを語っている。
また、オーディエンスが再び岸川まきをフロアで歌わせる要因になっていたなど、今のライブに対する思いを話してくれた。写真:小畑ちひろ(@tihi1203)【toitoitoi tour 2023→2024「toitoitoi presents『1013』vol.4 」】より


インタビュー

過去の『1013』を振り返って、岸川さんがフロアの中に飛び出てお客さんの真ん中で歌ったのは今回が初めてになるかと思うのですが、コロナ前と今とで変化などは感じていますか?

岸川)コロナ期間中は確かに仰る通り『1013』で配信だったり、そもそも『1013』に関係なく私ももちろんフロアに出れないし、『ひろがれ・ザ・ワールド』とか『アンセム』とか皆さんと一緒に歌うっていう楽曲も結構多かったし、一緒に歌うのを封印しなければならないってなった時に、どうやってライブしようってめちゃくちゃ考えて、もう私はそれがなくても大丈夫なような立ち回りというか、パフォーマンスしようってあの頃は思いました。

逆に言うとより無敵になったというか、正直私「コロナ開けてもフロア下りねえわ」とか言ってましたね。
多分ムラコシくんとかにも言ってた気がする。「もうフロアに降りなくても行けるわ私!」みたいな。

なんか強みを持った風に感じていたんですけど、いざ皆さんを目の前にして歌っていると、やっぱり私はこれはパフォーマンスとかじゃなくて、フロアに出ちゃうんだなって思いました。
これは多分直感。

ちょっと理由ちょっと考えたんですよ。
なんで出ちゃうんだろう?出ないライブが出来たらいいじゃんそういうの。みたいな。
直接みんなの目の前で挨拶しながら歌いたいなっていう感情なんだろうなって『1013』の時は思いました。

距離感、単純に近くで歌いたいっていう私の感情があって、皆さんがそれに付き合ってくれてるっていう、このなんかちょっと変な環境を私が楽しんでいて、幸いなことにそれを楽しいと思ってくれてるお客様がいっぱい集まってくださってる環境なんだなっていうのを再確認できたので、今後とも皆さんお付き合いくださいっていう感じです。

ムラコシ)コロナ期間を経験してからはお客さんがいるのは嬉しいなと思ったりしたのと、個人的にはバンドライブの時はエレキギターを弾くことが増えたんで、立って弾いてるから視点高くなって奥まで見えるなとか、そういうのは 思いましたね。
やっぱりライブは人がいてやるのがステージに立つ側もお客さんとしても良いんじゃないかなって思います。

岸川)でもさ、あれじゃない?
toitoitoiのお客さんの雰囲気とか、フロアの雰囲気ちょっと変わったよね?いい意味で。

「一生懸命やってる私たちを真剣に見る皆さん」みたいな構造を別に求めてはいないんだけど、最近みんなが自由だなって。
全員が全員一緒じゃないくて全然よくて、なんか楽園感があってすごいいいなって。
どこ行ってもなんかフェスみたいな雰囲気。
いまいち伝えづらいんですけど、なんかそんな感じに思ったりします。

写真で切り取っていただいて見ると、マジでみんなすっごい笑顔なんですよね。演じてる側も。
だからこっちもハッピーだし、フロアにいる人もそれが伝わってか、相乗効果か分からないんですけどでも内輪だけがハッピーにしてる感じでもなく、初めて来た人をも受け入れるハッピーな感じがすごいして、空気感がすごく良いなと。
『1013』のライブ以外でも、先日大阪に行った時も思いましたし、今年は福島行ったり色んな地域で歌ってても思うことだったりしてます。

岸川さんがフロアに出て歌ってる時、ムラコシさんは何を考えてるんですか?

ムラコシ)一生懸命演奏しようって思ってます。
あとは、お客さんの目線とかは見たりしますね。どう見てんのかなって。
それと、アイツ(岸川)いつ帰ってくんのかなっていう感じ。
最近はフロアに居る時間が結構長い時が多いので。
その3つが多いかな。

私の方を見てくれるお客さん、誰がいるかなって、目が合った人とアイコンタクトしてる感じですね。 岸川)古参はムラコシくんを見るっていう。
ムラコシくんを見るとファンサがもらえるっていうのに気づいている。
古い古いファンたちは結構いるらしいですよ。

『アンセム』を歌う前に岸川さんが「この曲はみんなと一緒に声が出せるようになるまで絶対にやらない」と仰ってて、今回の『1013』では歌われました。
お客さんとのコールアンドレスポンスはいかがでしたか?

岸川)あれは感無量でした。
私もですけどみんなも待っててくれたんだなって、皆さんの「みんなで『アンセム』歌いたかった」って気持ちが伝わってきて、私は感無量でございました。
涙腺がちょっと緩みました。

今年の『1013』では、岸川さんも準備に多くの時間を割いたと伺いました。準備にも関わった事で何か得られたことはありましたか?

岸川)コロナになったことによって1~2年ライブハウスでのライブが無くなったので暇になったんですよね。
上野恩賜公園野外ステージ で連続してやった自主企画の『狼煙』以外はライブを全て断っていたので。

時間があると人間って余計なことに気付くっていうか、これはもっと出来るんじゃないかとか、この時間これに使えるんじゃないかっていう気付きが自分の中であって。
私、ミュージシャン、アーティストなので歌だけ歌わせてくれって思ってた時代があったんですよね。遥か昔になんですけど。

コロナの自粛期間になって自分に時間が出来た時に、この期間を使って何か変えられる事がないかなっていう、まあよくあるパターンで皆さんと同じように考えた時に色んな人に会いに行くとか、自分自身で疎かにしていたのではって思うところを補填してみるみたいな方向に舵を切ってみたんです。

色んな人に会ってると、ライブしかりイベントしかり、私が直接話した方が「私たちってどういうことやりたくてどういうバンドなんですよ」っていうのが伝わるんだなっていうのを単純明快に感じて。

「私たちコロナ期間中はライブハウスでライブをやりたくないんです」
直接そのライブハウスの人とかイベントやってる人に伝えたっていうのがキッカケだったんですけど、この話を間に誰か入って伝えていたら、私たちは冗談じゃなく終わってた可能性あるなって思って。
キャンセルする時も1個1個電話で全部連絡しましたし、担当してくれた方の会いに行ける時は会って「ライブが再開出来るようになったらこういう感じで一緒にやりたいです」って伝えに行ったり。
ライブをどうしてやりたくないのかの理由も話したりとか。
それに対して向こうも違う意見が返ってきてちょっとディベートみたいな感じになったりとかもあったりしましたが、それでも嫌な方向にはならなかったんですよ。
「あー良かったな、この人と話せて」みたいな。

元々ムラコシくんはフットワークが軽いので、ムラコシくんの方が色んな人に会いに行ったりしてたんですけど、その比重を私にも傾けようと、ボーカルでワーってやってる人だけど「志があってこういう風に音楽続けてます」っていうのを伝えると「toitoitoiはこんな事がしたいんだ」って理解していただけて力を貸していただけるようになりました。

これがキッカケで、そこから話した本人が提案したり、提案されたものを打ち返すっていうのが1番分かりやすいっていうので、裏方のような仕事を私もやるようになったっていうだけなんです。

そこで得たものはかなり大きくて、コロナの前よりtoitoitoiって皆さんが見て「あ、嬉しいな」って思う活動が増えてきているのではないかなと。
その1つが人と人との繋がりだとか「私たちはどうなりたくてどうしたいんです」っていうのを本人たちが直接力を貸してくれる人に伝えてそれを協力してくれる人が集まってきているっていう段階だと思ってます。

自分たちが中心として、自分たちも関わりながら一緒にこう作り上げられてるっていうのが、今の時代はそれもいいじゃんって。
なんか時代に合った動き方なのかな。
本人たちがセルフプロデュースしながら、力を貸してくれる人がもちろん1人では出来ないので、出来ないところを助けてくれる人を増やしながら、どんどん大きなところに突き進んでいくっていう中心人物に私とムラコシくんがちゃんといる中で動けてるっていうことが大きな収穫でした。

「toitoitoiがやりてえって言うからやる」っていう大きな力が働いて色々と進めてることがすごく収穫だったなって思いつつ、連絡を色んな人と取らなきゃいけないとか、自分で考えなきゃいけないっていうことが私もムラコシくんも増えて結構大変ではあるんですけど、toitoitoiはこうなればいいのにって思ってくれてたり、本人たちも思ってたこととズレがない方向にきちんと舵取りして進めていけてるのかなって思って。

あとは、今まで協力してくれたスタッフとか、今まで力貸してくれたクリエイターとか、そういう人たちがどうして私たちに力を貸してくれてたか、単純にtoitoitoiがもっと大きくなるようにっていうその源で動いてくれてたんだなっていう感謝もより強くなって、皆さんと一緒にさらに私たちが有名になれば一緒にやってる人も自ずと効果が生まれるので、そういう感じでどんどんん頑張ろうって思えております。ムラコシ)今年の途中ぐらいまでは岸川さんが言った通り、直接やり取りをして僕と岸川が窓口になるとこに戻るっていうのがあって、直接話した方が確かにプラスになったのかな。
いろんな思いを伝えたりとか、ただ断るんじゃなくて、色々理由とかも説明出来たから良かったと思います。
それが今に繋がってるっていうのは感じています。

今年の『1013』を振り返ってみて、どんな感想をお持ちですか?

岸川)冒頭に戻るんですけど、そんなに『1013』だからといき込んでいた訳ではなくいつも通りやろうと思っていたし、終わったっていう感じも特に無いし、よしやりきった!みたいな感じもなくて、全然次のことを考えてるなっていう良い状態だなと思ってますし、次のこと考えなきゃいけないスケジュールなんですよね、ありがたいことに。

ムラコシ)私は『1013』の振り返りっていう点においては、良かった点もいっぱいあるし、なんか次に繋がりそうな学びもいくつかあったので、また来年もちろんやるという前提でまた別のこと試したいなって思ってます。

新しいことに色々挑戦したおかげで見えたものがあるので、次に生かすっていう形にしたいし、学びをより良い方向に持っていければっていう感じで続けていきたいなと思います。
来年が今回よりももっと面白いものになるといいなと思います。

「toitoitoi tour 2023→2024」と題して今回の『1013』からツアーが始まりましたが、これからライブもどんどん決まってきてて、全国を回っていく感じですか?

ムラコシ)そうですね。まだ発表出来ないものもありますけど、色んな地域に行きたいと思います。
1年くらいかけて。

ちょっと早いですけど、来年の目標とかやってみたい事はありますか?

ムラコシ)いっぱい曲作ってまた色々発表したいんで、ライブも音源も楽しみに待っていてもらえればいいかな。

岸川)私の来年の目標は英会話ですね。
外国の人が何の目的もなくライブハウスにいらっしゃることが多いんだなと思って、色んな国の人と会話したいのと海外でライブしたいです。

世界規模にして、なんか機会があれば作っていきたい。
そういう関係とかご縁も作っていきたいなと思います。
やれる範囲をもっと広げて規模も広げていきたいですね。

ありがたいことにお誘いが多くて、お誘いいただける方向性、角度とかもすごい多様な感じで、色んな誘われ方で。
引き続き、面白いことに触覚を敏感に働かせてやっていけたらなっていう感じです。

いま多方から声を掛けてもらえるのは、コロナで自粛中のちゃんと直接お話をして「自分たちはこういうことですよ」っていう気持ちも伝えてたっていうのは、やっぱり大きいんじゃないですか?

岸川)いや、でかいと思います。マジで。私はそれが1番の収穫だと思います。
何で出演出来ないのかを正直にお伝えしてるので、そしたら「じゃあこういうのはどう?」って向こうも返事しやすいのかもしれませんね。
ちょっと伝わってないかも?って思ったら直接電話したりとか、だいぶやり方が変わりました。
だからそれは本当に収穫だったと思うし、種まきしたのが今、花が咲いてる状態になってる感じしますね。本当に。
2024年も引き続き、色んな面白いお声掛けいただけるように頑張りたいです。

ムラコシ)いま色んなエリアでテレビだったり、街中の音楽だったり、プロモーションの幅が拡がっているので、みんないろんな場所でtoitoitoiに出会ってください!

LIVE SCHEDULE

2023/11/22

toitoitoi tour 2023→2024『クオーツ星レコ発「変身したい!?」』
東京都 / 池袋adm

2023/11/25

toitoitoi tour 2023→2024『naked&DJ TAICHI presents 「Music Mania Vol.15 ~Wレコ発~THE 天国畑 JAPON & クオーツ星」』
山梨県 / naked music cafe&bar

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