<舞台写真&コメント>主演・市川猿之助の舞台『藪原検校』が本日いよいよ開幕!「健ちゃん(三宅健)には遊んでもらって、みなさんにも楽しくしていただいて、稽古も楽しく一か月乗り切れました。(笑)」
生まれつき盲目で性根の曲がった男が、殺しに殺して藪原検校にまで上りつめる悪党一代記。
1973年のオープン以来、渋谷PARCO建替えまでの43年間、プロデュース公演の先駆けとして、様々な名作、話題作を送り出してきたPARCO劇場(オープン当時の名称は西武劇場)。
この『藪原検校』は、「西武劇場オープニング記念・井上ひさしシリーズ」として1973年に初演された傑作舞台だった。
この縁深い作品が、新生PARCO劇場のオープニング・シリーズの一作として蘇る!
主演 市川猿之助に加え、三宅 健、松雪泰子、川平慈英ほか、新たな『藪原検校』に豪華キャストが挑む
旧PARCO劇場と新生PARCO劇場を繋ぐ架け橋とも言える本作の主演を務めるのは、スーパー歌舞伎Ⅱ『新版 オグリ』でも演出の杉原とタッグを組んだ歌舞伎界の若き重鎮 市川猿之助。
PARCO歌舞伎『決闘!高田馬場』に出演、同劇場の『狭き門より入れ』で現代劇に初出演するなど、PARCO劇場とも縁が深い猿之助が、PARCOオープニング・シリーズにふさわしいこの作品で、落語や講談、歌舞伎でも描かれてきた稀代の悪党‘杉の市’を演じる。
さらに、舞台『二十日鼠と人間』での主演や、昨年の六本木歌舞伎『羅生門』出演でも話題となった三宅健が、杉の市の処刑を進言する‘塙保己一’ほか数役を鮮やかに演じわける。
そして、透明感と妖艶さを合わせ持ち、稀有な存在感を放つ松雪泰子が杉の市の愛人‘お市’を。
豊かな表現力と唯一無二の個性で、ジャンル問わず活躍する川平慈英が、物語の語り部となる‘盲太夫’を演じる。
このPARCO劇場オープニング・シリーズ「藪原検校」が本日10日より開幕する。
初日公演に先駆けてゲネプロを行い、その際の舞台写真と出演者のコメント届いた。
舞台写真
コメント
市川猿之助
新しいPARCO劇場での藪原検校ということですが、この情勢の中なんとか初日を迎えられるようなので、あとはひたすら、無事に千秋楽を迎えられることをいまはただただ祈るばかりです。
東京はもちろん、地方にも行きますので、最後はみんなで手を取り合って笑って、いい公演ができたねといえる芝居になることを祈っております。念には念を入れて、準備万端で、その場その場で燃えていきたいです。
健ちゃん(三宅健)には遊んでもらって、みなさんにも楽しくしていただいて、稽古も楽しく一か月乗り切れました。(笑)
井上(ひさし)さんは稀代の悪人を描いてはいますが、必ずしも生まれたときからの悪ではないんです。
悪人でも赤ちゃんの時の笑顔はあっただろうし、家庭環境もあっただろうし、悪人の様々な面を描いています。
今回のラストは杉原くんなりの解釈で、杉の市の悲しさがでていると思います。
スタッフさんも、照明さんもスーパー歌舞伎のときと一緒で、ツーカーの仲なので杉原くんがやりたいことの飲み込みが早く、みんなが同じ方向を向いていて、とてもやりやすかったです。
いろんなジャンルの俳優が、異種格闘技のような、舞台の上での演技のいい意味での戦い、それが良いほうに化学反応を起こして、従来の藪原検校をご覧になった方々には驚きだろうし、初めて観るかたにも驚きだろうと思います。
この時代にしかできない、杉原邦生が、やりたいことを我々を使ってやった芝居ですので、若さと若いアイデアにあふれた古典作品と言っていいこの『藪原検校』を隅から隅まで味わい尽くしていただきたいです。
三宅 健
猿之助さんとの共演は本当に楽しいです。
今は猫を被っていますが、チャーミングな方で毎日毎日笑顔が絶えない現場です。
健ちゃん、猿ちゃんと呼び合い、健猿の仲です(笑) 僕が小学4年生なら、猿之助さんは小学2年生です。
歌舞伎の技術、技がふんだんにこの舞台に活かされていて、そういった意味でも、これまで上演されてきた『藪原検校』とは違うと思いますし、渋谷の街と猿之助さんの技と、いろんなものが融合して、まったく新しいものが渋谷で生まれるんだなと感じています。
猿之助さんのファンの方々も楽しくて楽しくて仕方がないのではないかと、そして観に来てくださった皆さんが猿之助さんの虜になって帰っていくんだろうなと思います。
手放しでぜひ観に来てくださいといえる状況ではないですが、僕たちは粛々と芝居をやっていくしかありません。
キャスト、スタッフはじめ、観に来てくださる方々も感染対策をしっかりしていらっしゃると思いますので、千秋楽の日まで無事に終えられるように努めたいと思います。
松雪泰子
三宅さんもおっしゃったように、皆さん同じ気持ちだと思いますが、最後まで無事に千穐楽まで完走できることを祈っております。今回のカンパニーならではの「藪原検校」になっていると思います。
今回は杉の市の愛人ということで、精いっぱい杉の市に絡みついていきたいと思っております。
稽古場で生まれ積み上げてきたものを信じて演じていきたいです。
約20年ぶりに三宅さんとも共演させていただいて、映像と舞台の現場では環境も全然違いますから、稽古場では三宅さんの新たな魅力をたくさん拝見しながら、お稽古をしておりました。
三宅さんの魅力はぜひ作品を観ていただければ感じていただけると思います。
川平慈英
演出の杉原さんが大変エキセントリックで、猿之助さんバージョンの今作はポップな『藪原検校』です。
僕は語り部なので一回舞台に上がったら一秒たりともはけない。役者になってはじめてくらいのセリフ量の多さで、今さらながら何で引き受けたんだろうと・・・。(笑)
すごくチャレンジングなお仕事をいただいて感謝しています。
僕は歌舞伎のカルチャーと舞台の上で組ませてもらうのは初めてなので、お稽古場では本当に目からうろこなことばかりでした。
すごくセンセーショナルで稽古が楽しかったです。
これをこうやってやるんだ!と発見が多く、すごく勉強になり、いろんなアイデアをいただけました。
このご時勢、エンターテイメントを観に来るのは本当に難しいと思います。
コロナ渦で、なかなか人に優しくなれない、寛容になれない毎日だと思いますが、観に来てくださったお客様には楽しんで、笑顔になって、寛容になれるような作品になっていると思います。
この素敵なメンバーで完走できたら、こんな幸せなことはないです。
杉原邦生(演出)
約1年前のラインナップ発表会見で舞台に立った時には、考えもしなかった社会状況になっているなと、いま改めて感じています。
今回は素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんが、僕のアイデアの種を稽古場でふくらませ、育ててくれて、現代の人に伝わる『藪原検校』になっていると思います。
稽古中も稽古が終わってからも、猿之助さんにLINEでここはこうしようかとか、こうしたらいいんじゃないかとアイデアをいただいて、僕のほうで噛み砕いて演出に反映させた場面もありますし、猿之助さんが歌舞伎の演出を丸ごと持ち込んでいるような演技をなさっているところもあります。
歌舞伎俳優の猿之助さんが主演で、周りにいろんな出自の俳優さんがいて、作品の芯に井上ひさしさんの本がある世界観で、いいバランスですべてが融合しているなと感じながら稽古をしていました。
そして、劇場に来て、実際に舞台美術が立って、いい意味で我ながらこれは「やっちまったな」という気がしています。井上ひさしさんは地方と都市をテーマにずっと作品を描いてきた方で、今作も杉の市が東北から江戸に出てきて成りあがっていく話です。
都市の象徴である渋谷の街の一角で上演したらおもしろいのではないかというアイデアから、このような現代的なセットになっていて、でも衣裳は江戸中期のもので、普通では融合しない二つが皆さんの力で融合しています。
今までにない『藪原検校』だし、井上ひさしさんの作品がこんなふうになるとはだれも想像しなかった世界観になっているので、いろんな批判も出てくるのではとドキドキしていますが、ぜひ楽しんでいただきたいです。
PARCO劇場オープニング・シリーズ 『藪原検校(やぶはらけんぎょう)』
作
井上ひさし
演出
杉原邦生
音楽・演奏
益田トッシュ
出演
市川猿之助 三宅 健 松雪泰子 髙橋 洋 佐藤 誓
宮地雅子 松永玲子 立花香織 みのすけ/ 川平慈英
東京公演
会場:PARCO劇場
公演期間:2021年2月10日(水)~3月7日(日)チケット料金:13,000円(全席指定・税込)、U-25チケット=6,000円
チケット発売日:2020年12月12日(土)
チケット取扱:
・チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/yabuhara/(Pコード:503-763)
・ローソンチケット:https://l-tike.com/yabuhara/(Lコード:34699)
・イープラス:https://eplus.jp/yabuhara/
お問い合わせ:パルコステージ 03-3477-5858 (時間短縮営業中)
名古屋公演
会場:日本特殊陶業市民会館・ビレッジホール
公演日程:2021年3月9日(火)・3月10日(水)
お問い合わせ:キョードー東海 052-972-7466
石川公演
会場:こまつ芸術劇場・うらら
公演日程:2021年3月13日(土)・3月14日(日)
お問い合わせ:こまつ芸術劇場うらら 0761-20-5500(9:00~19:00 休館日を除く)
京都公演
会場:京都芸術劇場・春秋座
公演日程:2021年3月18日(木)~3月21日(日)
お問い合わせ:京都芸術劇場・春秋座 075-791-9207
後援
TOKYO FM
企画・製作
パルコ