<ゲネプロレポ>Eccentric Dancetainment Crew Blue Print Vol.7「父親参観日」in CBGKシブゲキ!!
「SMAP×SMAP」や数多くの有名アーティストの振り付けを手がける、ダンサー・振付師のJUNを中心に結成したEccentric Dancetainment Crew「Blue Print」。
メンバーには、ストリートダンス世界大会チャンピオンのTATSUO。
DA PUMPメンバーのTOMO。
劇団SETの大竹浩一。
映画、ドラマに多数出演中の山根和馬。
各ジャンルで活躍中のダンサーKUNI NISHIZAWA/ATSUSHI/MAEDA。
舞台版「逆転裁判」などの作品も数多く演出している劇団SETの大関真などが在籍している。
彼らの7作目となる「父親参観日」のゲネプロの様子を取材した。
Eccentric Dancetainment Crew Blue Print Vol.7
「父親参観日」
【脚本・演出】福島カツシゲ
【出演】
JUN
KUNI NISHIZAWA
TATSUO
ATSUSHI
MAEDA
TOMO(DA PUMP)
山根和馬
大竹浩一(劇団SET)
【会場】CBGKシブゲキ!!
東京都渋谷区道玄坂2-29-5 ザ・プライム6F
【参観日】2017年8月2日~6日
report
ステージが大きな黒板になっていた。
黒板消しがかなりデカイ!<あらすじ>
サラリーマン、ラーメン屋、喫茶店のマスター、町工場を切り盛りする兄弟、様々な職業のオヤジたちが教室の後ろに並んでいる。飛び交うオヤジたちの声は、かなり自由で微笑ましい。
そんなオヤジたちの「父親参観日」。
オヤジたちの威厳が失われつつある今、微笑ましくも切ない父親たちの物語。
子供の姿に扮したBlue Printの面々。
教室に自分の親が入ってくるのを今か今かと待っている。
給食、掃除の時間で見せるパフォーマンス。
暗転明け。
サラリーマン、ラーメン屋、喫茶店のマスター、町工場を切り盛りする兄弟、様々な職業のオヤジたちが教室の後ろに並んでいる。
「ほら、こっち見なくていいから」「ちゃんと座ってて」と教室の後ろに並んでいるオヤジたちが声を掛ける。
そして、「親父、あっちでちゃんと見てるからな」「ちょっと父さんどこ行くの?ちゃんと座ってて」「親父頑張れ!」と椅子に座っている者に対して声を掛け始める。
!?
タイトル「父親参観日」、子供たちを見るの父親参観日ではなく、父親を参観する物語だったことがここで判明。
この舞台は、認知症を題材とした物語だった。
場所はとあるグループホーム。
入居条件として、月に一度の「父親参観日」に入居者である父親を参観することだった。
認知症になって自分のことが分からなくなっても、豚骨ラーメンが作れるのはスゴイと言う別の仲間に対し、
「豚骨ラーメンは作れても自分の味が分からなくなったり、買い物でスーパーに行けてもお金の計算が出来なくなったり、帰り道が分からなくなったり、当たり前が壊れていくんだ」と店を継いだ息子が話し、その言葉が胸に刺さる。
その様子を「すげー大変じゃん!親父大変だったんだな」と理解する。
父親を見守る息子たちだが、彼らにも色々と抱えているものがあった。
自由奔放な兄と町工場を継いだ弟との確執。
現状へのコンプレックスや苦悩が段々明かされていく。
その中でひとり様子のおかしい健太郎。
そして自分に宛てた手紙をいつも書いている。
父が入居していて96歳で亡くなった。そこから若年性アルツハイマーが進行して行ったのだ。
そして・・・
高齢化社会に向かっている今を切り取った物語
舞台のタイトル「父親参観日」から学校の話と皆が勝手に想像をしていたと思われる。
それを見事に裏切った脚本・演出の福島カツシゲさん。
誰にでも当てはまる可能性があり、観ながらも考えさせられる。
物語の中の特別なことではなく、周りで実際にある風景といっても過言ではないのだろうと思う。
介護する側される側。
介護していた自分が、介護されるかもしれない。
気持ちを葛藤をパフォーマンスにして表現するBlue Printのメンバー。
言葉では表せない想いを映し出していた。
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