<会見&公開ゲネ>向井「ゲネプロの前は独特な緊張感がある」向井理、田中麗奈ら出演舞台シアターコクーン・オンレパートリー2019『美しく青く』本日開幕

ステージBunkamura, レポート, 劇場, 渋谷, 舞台


向井理、田中麗奈を筆頭に、大倉孝二、大東駿介、横山由依、駒木根隆介、森 優作、福田転球、赤堀雅秋、銀粉蝶、秋山菜津子、平田満が集結した豪華キャストの舞台、シアターコクーン・オンレパートリー2019『美しく青く』が本日より上演される直前の10日、Bunkamuraシアターコクーンにて会見と公開ゲネプロが行われた。

この作品を手掛けるのは、劇作家・演出家としてだけでなく映画監督、俳優と多彩な顔を持つ赤堀雅秋。
シアターコクーンでの赤堀雅秋作・演出作品は今回で4作目となる。

会見では、向井理、田中麗奈、赤堀雅秋が登壇し、初日を直前に控えた心境などを語った。

舞台は、一度は日常を失いながらも懸命に新たな日常を生きつづけていく人々に、一縷の光明を投げかける赤堀のネオヒューマンドラマになっている。

初日前会見

初日を明日に控え、今の心境は如何ですか?

赤堀)シアターコクーンで演出をして行うのは今回が4回目なんですけど、近年稀に見ぬ穏やかな心境と言うか(笑)
優秀なスタッフとキャストの皆さんのお陰で、明日に向けて万全とは言い難いですけど、心づもりは出来ているつもりです。
あとは明日やるしかないなって気持ちで居ます。

向井)そんなに数は多くないですけど舞台はやらせていただいてきていて、このゲネプロの前というのはちょっと胃が持ち上がってくる位、独特な緊張感が僕らの中にあります。
稽古期間としてはそれほど長かった訳ではなかったんですけど、でも濃密な稽古期間を経験出来ましたし、いよいよ明日が本番ということで、変に気合が入り過ぎないように、自分がコントロール出来なくならないように、心を整えて明日を迎えられればと思います。田中)明日がいよいよ初日ということで、なんだか信じられない気持ちなんですけど、でも早くやりたいという気持ちもあって、まだ自分の中で課題があるのでそこを意識しながら、でも皆さんに楽しんでいただく、皆さんに伝えていくことがとても大切だと思うので、無心でやれたらいいなと思います。

2年ぶりの新作書き下ろしになりますが、手応えなどはありますでしょうか?

赤堀)題材が題材だという事はあるのですけど、物作りをしていて手応えを感じた事は無いです。
例えば、田中麗奈さんに出演していただいた「葛城事件」という映画では、その背景に"死刑制度"という問題とか、今回で言うと獣害や被災地を舞台にしている事だったりとかあるんですけど、作り手としては何かしら正解を皆さんに啓蒙したいということではなく、自分自身が苦悶しながら戸惑いながら物作りに携わっていて、お恐らく本番中も御幣はありますが千秋楽まで苦闘しながらやっていくことだと思うので、そういう意味では手応えは無いです。

今回のタイトルについて

赤堀)今まで、市井の人々を生活や営みの日々を劇作家としては描こうとしてきたつもりではいます。
特に今回については、人間描写のスケッチというよりは、もうちょっと根源的な人間としての営みだったり幸福の在り方を、一応劇作家としては、演出家としてもそうですけど、もうちょっと掘り下げて見つめてみたいなという衝動から、このタイトルの『美しく青く』というのは、空や海だったり、人間の陣地には及ばない抗えないものと対比してした中で、描くことは極めて些末な人間の描写ですけど、その対比の中で浮彫になってこないかなという思いです。
『美しく青く』と言うのは、希望でもあり、畏怖の念というか、そういう思いで付けました。

演じられる役について

向井)普通の人、普通の人と言うのは色んな面を持っているので、夫であり、義理の息子でもあり、リーダーでもあり。
色んな面があるので、どういう人と言うのは中々難しいですけど、赤堀さんが仰っている「一生懸命生きている人」、ただ上手く向き合えない事があったり逃げたりするのも人間の側面でもあると思うので、そういう事は誰にでもある衝動を抱えながらちゃんと生きている。
そういう普通の人を演じないといけないので、もちろん僕はその人ではないですし知らないですけど、その人のことをずっと考えて「この人だったらどう考えるか」「どういう37年間を生きてきたのか」とか。
誰しもが持っている感情をちゃんと持っている人だと思います。田中)直子(役名)は過去に悲しい出来事があって、その悲しみというのは彼女の根源、深い心の底にどうしてもあって、でもそこに対して夫とは逆でしっかり向き合った事があったからこそ、現実に対して一生懸命で、感情が持てるのかなと自分では解釈をしています。
女性としての生理的なものというか、そういうところでの言動だったり、女性って感情が揺れていると思うので、その不安定さだったりが、彼女の持っているものなのかな。
抑えきれないものだったり、理性で抑えようとしたりして、彼女は忙しい人だなって思ったりするんですけど、とても生々しくリアリティーをもって、直子なのか自分なのか分からないくらいでやれたらいいんだろうなと思います。

公開ゲネプロ

『美しく青く』ストーリー

山を背負い、海を抱く町。
都市のきらびやかさとは無縁のその町は、かつて大きな災害に見舞われていた。
8年を経て、日常を取り戻しつつあるかに見えた町に新たな「問題」が生じる。
人馴れした野生の猿が、田畑の作物や人家の食べ物を狙って荒らし、時には人間にまで危害を加えるようになったのだ。
中でも片足の、群れをはぐれた“ハナレザル”は気性が荒く、危険視されていた。
青木保(向井理)ら町の男たちは猿害対策のための自警団を結成し、日々不毛な争いを繰り返していた。
メンバーは保の同級生で農業に従事する古谷勝(大東駿介)や地主の息子・峰岸春彦(駒木根隆介)、軽口ばかりの中年・落合秀樹(福田転球)、己を持て余す若者・林田稔(森優作)たちだ。役場勤めの箕輪茂(大倉孝二)も、申し訳程度に参加している。
保は町のためと息巻くが理解者は少なく、猿の餌になってしまうゴミの出し方や柿の木の伐採について、町内でアパートを経営する老人・片岡昭雄(平田満)に協力を仰ぐもはねつけられてしまう。
成果の上がらぬ自警団のメンバーは、佐々木幸司(赤堀雅秋)・順子(秋山菜津子)の営む居酒屋に集っては、夜な夜な愚痴まじりの飲み会を繰り広げていた。店では勝の妹・美紀(横山由依)がアルバイトをしている。
保が自警団の活動にのめり込む一方、妻の直子(田中麗奈)は認知症を患う実母・節子(銀粉蝶)の介護に明け暮れる日々に疲れ果てていた。
ささやかな日常の水面下には、誰もが不安や不満を抱えている。
それでも生きていく。それでも生活は続く。
空と海は、今日も美しく青く、そこにある。

Bunkamura30周年記念 シアターコクーン・オンレパートリー2019 「美しく青く」

om

作・演出

赤堀雅秋

出演

向井理、田中麗奈、大倉孝二、大東駿介、横山由依、駒木根隆介、森 優作、福田転球、赤堀雅秋、銀粉蝶、秋山菜津子、平田満

スタッフ

美術:土岐研一
照明:杉本公亮
音響:田上篤志
衣裳:坂東智代
ヘアメイク:鎌田直樹
演出助手:相田剛志
舞台監督:南部丈

企画・製作

Bunkamura

東京公演:Bunkamuraシアターコクーン 全22回

■日程:2019年7月11日(木)~28日(日)■チケット料金 (全席指定・税込):S席10,000円、A席8,000円、コクーンシート5,000円、U25(25歳以下当日引換券) 3,500円
■主催 Bunkamura

大阪公演:森ノ宮ピロティホール 全4回

■日程:2019年8月1日(木)19:00、2日(金)14:00、3日(土)12:00/17:00

シアターコクーンでの赤堀雅秋作・演出作品

Bunkamura25周年記念 殺風景

公演日程:2014/5/3(土)~5/25(日)
出演:八乙女光、大倉孝二、荻野目慶子、江口のりこ、近藤公園、大和田美帆、尾上寛之、太賀、福田転球、駒木根隆介、安藤聖、キムラ緑子、西岡徳馬

大逆走

公演日程:2015/10/9(金)~10/25(日)
出演:北村一輝、大倉孝二、池田成志、吉高由里子、峯村リエ、趣里、冨浦智嗣、三村和敬、濱田マリ、大鷹明良、秋山菜津子
ダンサー:小嶋亜衣、崎山莉奈、仁科幸、浜田亜衣、李真由子、渡邊絵理、若羽幸平(大駱駝艦)、小林優太(大駱駝艦)

シアターコクーン・オンレパートリー2017 世界

公演日程:2017/1/11(水)~1/28(土)
出演:風間杜夫、大倉孝二、早乙女太一、広瀬アリス、青木さやか、和田正人、福田転球、赤堀雅秋、梅沢昌代、鈴木砂羽

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