本谷有希子が自らの小説を舞台化!3年ぶりの演劇上演決定!黒田大輔、安藤玉恵が出演する『マイ・イベント』が6月9日に開幕

ステージ劇場, 舞台


2019年8月、うだるような暑さの中「夏の日の本谷有希子」と銘打ち、11名の出演者とともに演劇作品『本当の旅』を上演した、劇作家・小説家の本谷有希子。
自身の小説を演劇として立体化する取り組みに感じた手応えをもとに、前作から3年ぶりとなる2022年6月、「梅雨の走りの本谷有希子」として、自身の小説『マイ・イベント』の舞台化に挑む。

2021年に出版された『あなたにオススメの』(講談社)に収録された今作。
物語は、異常なまでに防災意識と選民思想の強い夫婦が住む川沿いのマンションに、巨大台風が接近するところから始まる。
過剰なまでに利己的な夫婦ですが、どこか笑えないことに気づく、人間の裏も表も見せつけられるような一作になっている。

癖の強い夫婦を、強力な個性を放つふたりが演じる

夫・渇幸に、映画やドラマでも多彩な役柄を演じるバイプレイヤーでもあり、五反田団、ほりぶんなど小劇場でも活躍する黒田大輔。
妻・張美は、ドラマ『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』での阿佐ヶ谷姉妹役も記憶にあたらしく、現在舞台『命、ギガ長スW(ダブル)』にも出演中の安藤玉恵。

演出の本谷とも同世代であり、かねてから交流もあり信頼を寄せるふたりとともに、小竹向原のスタジオでビルドアンドスクラップを重ねながら創り上げられる、じっとりとした梅雨にぴったりの本作。滑稽なまでに意識の高い夫婦をあなたは嫌悪するか共感するのか期待したい。

コメント&プロフィール

原作・作・演出:本谷有希子

小説として書き上げている最中から、「この作品はむしろ舞台にしたほうがよくない?」と思っていました。
いつもは難航するキャスティングも、すぐに浮かびました。
「黒田大輔と安藤玉恵の、二人芝居」。
もうこれしかないと思いつき、そのまま進めてしまったので、よもや二人でやる内容でない原作だということは、かなり後になって気がつきました。
けれど、もうやり切るしかありません。
ジメジメした季節にふさわしい、反吐が出るほどジメジメした芝居を、限界に挑戦しながら創りたいと思います。

プロフィール

1979年生まれ、石川県出身。
2000年「劇団、本谷有希子」を旗揚げし、主宰として作・演出を手がける。
主な戯曲に『遭難、』(鶴屋南北戯曲賞)、『幸せ最高ありがとうマジで!』(岸田國士戯曲賞)などがある。
主な小説に『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』、『生きてるだけで、愛』、『ぬるい毒』(野間文芸新人賞)、『嵐のピクニック』(大江健三郎賞)、『自分を好きになる方法』(三島由紀夫賞)、『異類婚姻譚』(芥川龍之介賞)、『静かに、ねぇ、静かに』など。
近年、著作が海外でもさかんに翻訳され、『異類婚姻譚』『嵐のピクニック』を始め、様々な言語で出版されている。

黒田大輔

プロフィール

千葉県出身。
劇団「THE SHAMPOO HAT」所属を経て、劇団「五反田団」、「ハイバイ」など小劇場を中心に活躍。
映像でも、ひと目見ると忘れられないバイプレイヤーぶりを発揮している。
映画『恋人たち』で第30回高崎映画祭にて最優秀助演男優賞を受賞。
主な出演に、連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(共にNHK)、映画『万引き家族』、『さがす』、『川っぺりムコリッタ』、舞台『メアリ・スチュアート』(世田谷パブリックシアター)、『飛鳥山』(ほりぶん)などがある。

安藤玉恵

プロフィール

東京都出身。
早稲田大学の演劇サークル「演劇倶楽部」で演劇を始める。
主な出演に、連続テレビ小説『あまちゃん』、『今ここにある危機とぼくの好感度について』(共にNHK)、『深夜食堂』シリーズ、映画『探偵はBARにいる』シリーズ、『夢売るふたり』(監督:西川美和/高崎映画祭最優秀助演女優賞受賞)がある。
昨年はドラマ『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(NHK)で、妹の木村美穂役を演じ、話題を集めた。
現在、舞台『命、ギガ長スW(ダブル)』(作・演出:松尾スズキ)に3月4日より出演中。

あらすじ

巨大台風が近づきつつある川沿いのマンションに住む渇幸・張美夫妻。防災への意識の高い渇幸は、異常なまでに備えられた防災グッズや食料の備蓄をせっせと確認し、万事に備えて最上階の部屋を購入した自身を全肯定している。
妻の張美もまた、過剰な買い占めをする夫に近所の噂が立つのを嫌いながらも、基本的には渇幸の選民思想には同調している。
そんな夫婦の部屋へ、河川の氾濫を恐れた1階住民の大家族が押しかけてきて---。

梅雨の走りの本谷有希子「マイ・イベント」

作・演出

本谷有希子(『あなたにオススメの』講談社刊より)

出演

黒田大輔 安藤玉恵

日程

2022年6月9日(木)~6月28日(火)

会場

小竹向原 SAiSTUDIO コモネA(東京都板橋区小茂根 1-9-5)

料金

前売:4,500円/当日:5,000円(整理番号付き自由席)

チケット発売日

2022年5月7日(土)午前10時

チケット取扱

ローソンチケット:https://l-tike.com/motoya2022

主催・お問い合わせ

ヴィレッヂ:03-5361-3027
http://www.motoyayukiko.com/performance/myevent/

近年の本谷有希子の演劇作品

■飴屋法水、本谷有希子、Sebastian Breu、くるみ による作品/2016年8月5日~9日 @原宿 VACANT

■夏の日の本谷有希子『本当の旅』/2019年8月8日~18日@原宿 VACANT
作・演出 :本谷有希子 (『静かに、ねえ、静かに』講談社刊より)
出演:石倉来輝、今井隆文、うらじぬの、大石将弘、後藤剛範、島田桃依、杉山ひこひこ、富岡晃一郎、福井夏、町田水城、矢野昌幸