<舞台写真&コメント>永遠のミュージカル界のプリンス・井上芳雄といま最も注目を集める個性派女優・伊藤沙莉がストレートプレイで初共演!パルコ・プロデュース「首切り王子と愚かな女」開幕

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蓬莱竜太、5年ぶりのPARCO劇場での作・演出 作品は、“大人の寓話”

劇作家・演出家の蓬莱竜太と、蓬莱とのタッグ復活を待望した井上芳雄が、2015年の井上芳雄主演舞台『正しい教室』以来、6年ぶりに再び手を組んで取り組む大人のファンタジー『首切り王子と愚かな女』が昨日6月15日にPARCO劇場で初日を迎えた。
上演は同所にて7月4日(日)まで行われ、その後は大阪・広島・福岡で上演される。

劇団モダンスイマーズまた数々の外部作品の作・演出と、演劇界での活躍のみならず、映画「劇場」の脚本や配信中の人形劇ムービー『しがらみ紋次郎~恋する荒野路編~』で初監督と、表現の幅を広げている蓬莱竜太。
鶴屋南北戯曲賞を受賞したパルコ・プロデュース『母と惑星について、および自転する女たちの記録』(16)以来、PARCO劇場には5年ぶりの登場となる。
主演・井上芳雄が再びのタッグを切望し、新しくなったPARCO劇場に、新たなオリジナル作品で帰還。ファンのみならず期待の高まるところだ。

永遠のミュージカル界のプリンス・井上芳雄と、いま最も注目を集める個性派女優・伊藤沙莉がストレートプレイで初共演

井上芳雄と言えばミュージカル界を代表する俳優の一人。
しかしパルコ・プロデュースによるミュージカル作品は、真向うから正統派王子役に挑んだ『シンデレラ・ストーリー』の一本だけで、ほかはストレートプレイでの出演作が続いている。

個性派俳優としての彼のポテンシャルを理解し、その表現のバリエーションをさらに開拓する意味でも、あえてミュージカル界のプリンスのイメージとは異なる、俳優・井上芳雄を掘り起こしてきたパルコならではの企画で贈るのが『首切り王子と愚かな女』。

共演には、テレビ、映画で引っ張りだことなっている、いま最も注目を集める女優の伊藤沙莉。
『すべての四月のために』以来4年ぶりにパルコ・プロデュース作品への舞台出演が実現。
二人の初共演にも注目したい。

コメント

トル役:井上芳雄

このような時勢のなかで、初日までこぎつけられたことがとても嬉しいです。
完全な新作なので、ちょっとまだお客様の反応が想像つかないのですが、早く観てもらいたいと思っています。
自分の中でPARCO劇場イコール蓬莱さんというイメージがあって、ちょうど1年前くらいから来年どうしようかという話をしていました。
その時は1年後どうなっているかも分からなくて、でもこういう時だからこそ楽しいものがいいよねと。

蓬莱さんの作品なのでただ楽しいだけではないですが、でもミュージカルやほかのお芝居では体験できないような世界をいつも見せてくれます。
蓬莱さんいわく、僕のフィールドに寄ってくれたそうなんですが、全然そんな気はしていなくて、寄せてくれたとしたら設定が「王子」というところだけかなと。
首切りですけど(笑)。

ただ、やっていくうちにこれこそ王子なんじゃないかなと思いながらやれているので、僕の王子役の集大成として、それくらいの気持ちでやりたいですし、やれるかなと思います。
こうした状況ということを考えなくても、とても刺激的な作品が生まれていると思いますし、演出であったり、セットであったり、いろんなチャレンジングなアイデアもあって、お客様にどう届くか、受け取ってもらえるのか楽しみに思っています。

ヴィリ役:伊藤沙莉

舞台出演が約4年ぶりなので、(緊張で)シンプルに吐きそうなんですが・・・(笑)

この作品はとても大切で、大好きなので、たくさんの方に観ていただきたいですし、この時代だからこそ、多くの方に届いてほしいなと思うので精いっぱい頑張ります。
井上さんは見た目も中身も王子様で、笑顔も素敵なんですが、切ない表情もすごく似合っていて。
麻由美さんは稽古が始まってから、日に日にパワフルな感じになっていく印象で、私たちが迷っているとアドバイスをくださったり、打ち解けることができたので嬉しかったです。

私の演じるヴィリの言っていること、やっていることに違和感がなくて、ヴィリは姉への執着があるんですけど、そういう家族に対しての感覚というか、子供ではないけど、家族の前では素が出ちゃうというのは共感できるなと思います。

デン役:若村麻由美

ファンタジー作品は初出演ですが、ファンタジーというにはあまりにも深く、今の時代を反映していて、お客様には蓬莱さんワールドを楽しんでいただけると思います。

井上さんは、首切りだろうがなんだろうが、王子は王子で、蓬莱さんもおっしゃっていましたが、「いい奴」がにじみ出ていて、普段から品行方正でスーパースターパワーが出ています。
伊藤さんは、生きているエネルギーを感じさせてくれる方で、生命体が舞台の上を走り抜けるような。
本当にチャーミングで、私は伊藤さんの声が好きなんです。
誠実でストレートに生きていくヒロイン像が彼女にぴったりで、いつも見ていてほのぼのしています。
設定は王国ですが、家族の話でもあり、親子、姉妹の話なので、いろんな方に刺さると思います。

作・演出:蓬莱竜太

初日を迎えられない作品があまりにも多いこの時代で、初日を迎えられるという喜びと、今、演劇をやることが許されている以上、最大限、遊んで、一生懸命一日一日を楽しみたいと思います。
こういう時代なので、現代劇というよりは、お客様をフィクションの世界にいざなって、異世界の時間を味わってほしいなという気持ちがありまして、芳雄くんはプライベートでもよく知っているのですが、すっごくいいやつで、それとは逆の芳雄くんを見せたいなと、沙莉ちゃんは小さい体のどこにこんなにエネルギーがあるんだという素晴らしい女優さんですし、この二人が一番格闘しあえるシチュエーションをと思い、作品を書きました。

今回はファンタジーを観に来た人にはシンプル過ぎて衝撃的なセットだと思いますが、演劇の想像力の豊かさをそのまま舞台に上げたいと考えたときに、稽古場をそのまま再現するとどうなるかと思いつきました。
稽古場からスタートして、このシンプルなセットから、どうお客様をファンタジーの世界に誘えるかという演出をしたいと思いました。
基本的にずっとキャストが舞台上にいて、役者のオフの姿、オンになる瞬間なども観ていただけると思うので、そこも見どころかなと思います。

舞台写真

大人の寓話。時代も場所も架空の王国。雪深い暗い王国。

英雄であり人格者であった先王が早くに没して20年。
没後、女王は彼女に取り入った大臣に政を任せ、自分は享楽の日々を過ごし、大臣もまた甘い蜜を吸っていた。
民たちは税を搾り取られ、流行り病は放置され、苦しみ、疲弊していた。

その王国にはさらに、馬鹿王子がいた。何不自由なく育てられ、誰の話も聞かない、何の想像力も持たない馬鹿王子だった。
気に入らないものは人であろうが動物であろうが、ことごとく首をはねた。
命など王子にとって大事なものではなかった。
だが、女王の寵愛を受けているため、側近たちも何も言えない。
王国の未来への不安が民の中にも漂っていた。

ただ、唯一この馬鹿王子に意見出来る王子専門の世話係の女がいた。
この女は小さな貧しい村の出身で、そのため学も教養もない。
召使いの身分から王子に上手く取り入り、王子専門の世話係にまでなった女で、今やお妃候補とまで噂されている。
女は貧しく惨めな暮らしは二度としたくなかった。女は野心に燃えていた。

ある日、一人の女が反乱の疑いで投獄される。
それは女の憧れの姉であり、自分と家族を捨てた憎むべき存在であった・・・・・・。

パルコ・プロデュース 『首切り王子と愚かな女』

作・演出

蓬莱竜太

美術

松井るみ 

照明

吉川ひろ子 

音楽

阿部海太郎 

音響

原田耕児 

衣裳

西原梨恵 

ヘアメイク

河村陽子 

演出助手

須藤黄英 

舞台監督

弘中 勲/林 和宏

出演

井上芳雄 伊藤沙莉/高橋努 入山法子 太田緑ロランス 石田佳央 和田琢磨
小磯聡一朗 柴田美波 林大貴 BOW 益田恭平 吉田萌美/若村麻由美

東京公演

会場:PARCO劇場(渋谷PARCO 8F)
期間:2021年6月15日(火)~7月4日(日)入場料金:
12,000円(全席指定・税込) ※未就学児入場不可
U-25チケット6,000円(観劇時25歳以下対象、要身分証明書、当日指定席券引換/「パルステ!」、チケットぴあにて前売販売のみの取扱い)

発売窓口:
PARCO STAGE:スマホアプリ「パルステ!」 パルステ で検索!
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/kubikiri/
ローソンチケット:https://l-tike.com/kubikiri/
イープラス:https://eplus.jp/kubikiri/
※各プレイガイドでのチケット取扱いは先行販売、一般販売ともWEBのみとなります。

企画・製作:パルコ
チケットに関するお問合せ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337 (月~金12:00~15:00)
公演に関するお問合せ:パルコステージ 03-3477-5858(時間短縮営業中)

大阪公演

公演日程:7月10日(土)13:00・18:00 / 11日(日)13:00
会場:サンケイホールブリーゼ
入場料金:12,000円(全席指定・税込) ※未就学児入場不可
問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(11:00~16:00/日曜・祝日は休業)

広島公演

公演日程:7月13日(火)18:30 
会場:JMSアステールプラザ 大ホール
入場料金:12,000円(全席指定・税込) ※未就学児入場不可
問い合わせ:TSSイベント事務局 082-253-1010(平日10:00~18:00)

福岡公演

公演日程:7月16日(金)18:30 / 17日(土)13:30 
会場:久留米シティプラザ ザ・グランドホール 
入場料金:12,000円(全席指定・税込) ※未就学児入場不可
問い合わせ:ピクニックチケットセンター 050-3539-8330(平日12:00~15:00)

公式サイト

https://stage.parco.jp/