TEAM NACSの安田顕がBunkamuraシアターコクーンで初主演!トニー賞受賞作『ボーイズ・イン・ザ・バンド ~真夜中のパーティー~』来年7月上演決定
今年のトニー賞で演劇リバイバル作品賞を受賞した『ボーイズ・イン・ザ・バンド ~真夜中のパーティー~』の日本人キャストによる上演が決定し、TEAM NACSの安田顕を主演することが発表された。
安田のBunkamuraシアターコクーンで初主演作になる。
LGBTを正面から扱った伝説の傑作舞台を、新訳と白井晃の新演出で来夏上演
日本国内では『真夜中のパーティー』の名で知られるこの作品は、1968年にオフ・ブロードウェイで初演され、ゲイであることを自覚する男たちによる、誕生日パーティーでの一夜を描いた舞台。
初日公演での評判が評判を呼ぶ形で、会場も大きな劇場に移し、その後1000回以上の公演を重ねた傑作となっている。
ゲイ同士のそれぞれのやりとりや、自分たちが周囲からどう思われているのか、自分自身がゲイであることをどう受け止めているのかなど、LGBTが今ほど認められていない時代の観客たちに詳らかにし、当時の世相、カルチャー、LGBTを巡る議論などにも一石を投じていた。
初演から50周年を迎えて行われた昨年のブロードウェイでのリバイバル上演ではハリウッドスターなどの豪華キャストで話題沸騰。
日本でも83年から数多くの上演が行われてきており、遂に新たな訳と、白井晃による新演出によって、まったく新しい作品として上演することになった。
そして本作の主人公マイケル役には、テレビ、映画でも個性派俳優の一人としてすっかりお馴染みとなったTEAM NACSの安田顕を主演に迎え、新たな訳に、白井晃による新演出。
これまでにない『ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~』になりそうだ。
コメント&プロフィール
安田顕
いい意味で難しく、やりがいのある作品に挑戦できること。
初めての白井さん演出。初めてご一緒するキャスト。再び共演するキャスト。
そしてシアターコクーンの舞台で主演を演じさせていただくことなど、すべてに感謝申し上げます。
良い本番を迎えられるよう、新鮮に稽古に取り組みます。
是非ご覧ください。
■プロフィール
1973年生まれ。北海道出身。
演劇ユニット「TEAM NACS」メンバー。
映画、ドラマ、舞台などを中心に全国的に活動。音楽にも造詣が深く、雑誌ではアーティストと対談連載ページを持つ。
実父とのやりとりを綴った『北海道室蘭市本町一丁目四十六番地』も発刊し、思いの丈を柔らかい文章で表現している。
数々の話題作に出演、硬派な役から個性的な役まで幅広く演じている。
近年の代表作に映画:「龍三と七人の子分たち」(15年)、「愛しのアイリーン」(18年)、「ザ・ファブル」(19年)TVドラマ:「日曜劇場『下町ロケット』シリーズ」(TBS)、「連続テレビ小説『なつぞら』(NHK)、「俺の話は長い」(NTV)舞台:『宮城野』(09年)、『相対的浮世絵』(10年)、『日の本一の大悪党』(16年)、『DISGRACED』(16年)、『スマートモテリーマン講座』(10・11・13・17年)がある。
白井晃(演出)
1968年に初演されセンセーショナルを巻き起こした『The Boys in the Band』をこれ以上無いキャストのみなさんと日本でリクリエーション出来ることを大変光栄に思っています。
トニー賞でリバイバル作品賞を受賞したばかりの作品ですが、初演から50年が経って社会が性的マイノリティに対して、どれだけ変化したかを考える意味でも重要な作品になると思います。
米国に比べてまだまだ日本においてはこの問題は根が深く、あらゆるマイノリティと社会との関係を考える意味でも、今まさに必要な作品だと思います。
出演者のみなさんと様々な議論をして、この作品を日本で再上演する意味を考えながら創作したいと思います。
■プロフィール
京都府出身。
早稲田大学卒業後、1983-2002年、遊◎機械/全自動シアター主宰。
劇団活動中よりその演出力が認められ、多くの演出作品を手がける。
2014年4月KAAT神奈川芸術劇場アーティスティック・スーパーバイザー(芸術参与)。2016年4月、同劇場芸術監督に就任。
演出家として独立後は、ストレートプレイからミュージカル、オペラまで幅広く発表し、緻密な舞台演出で高く評価される。
近年の演出作品に『テンペスト』(14年 新国立劇場)、『ショーシャンクの空に』(14年 シアタークリエほか)、『マーキュリー・ファー』(15年 世田谷パブリックシアターほか)、『No.9-不滅の旋律-』(15年 赤坂ACTシアターほか)、『レディエント・バーミン』(16年 シアタートラムほか)、『ビッグ・フィッシュ』(17年 日生劇場)など。芸術監督を務めるKAAT製作による近年の演出作品には、『ペール・ギュント』(15年)、『夢の劇-ドリーム・プレイ-』(16年)、『マハゴニー市の興亡』(16年)、『春のめざめ』(17年、19年)、『オーランドー』(17年)、『華氏451度』(18年)、『出口なし』(18年)、『恐るべき子供たち』(19年)などがある。
01、02年の演出活動にて第9回、第10回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。
05年演出『偶然の音楽』にて平成17年度湯浅芳子賞(脚本部門)受賞。
12年演出のまつもと市民オペラ『魔笛』にて第10回佐川吉男音楽賞受賞。
18年のKAAT神奈川芸術劇場×世田谷パブリックシアター『バリーターク』にて第11回小田島雄志・翻訳戯曲賞受賞。
『ボーイズ・イン・ザ・バンド ~真夜中のパーティー~』
原作
マート・クローリー
演出
白井晃
出演
安田顕 ほか
会場
東京公演:シアターコクーン 2020年7月上演予定
ほか 仙台、札幌、大阪にて公演予定
公式サイト
企画・制作
ミックスゾーン
あらすじ
真夏のニューヨーク。
アッパー・イーストサイドにあるマイケルのアパートでは、ゲイ仲間のハロルドの誕生日を祝う準備が進められていた。
次第に仲間たちが集まりパーティーが始まろうとしている時、マイケルの大学時代の友人、アランがやってくる。
唯一のストレートであるアランの存在はマイケルたちの感情に変化をもたらし、雰囲気が徐々に険悪になりつつある中、パーティーの主役であるハロルドが現れる。
パーティーは更に荒れ、マイケルは強引に「告白ゲーム」を始める。
それは、心から愛している、または愛していたと思う相手に電話をかけ、直接「愛している」と告げると言うものだった。
これをきっかけに、それぞれの過去や本音が暴露されていく。
果たして、それぞれは誰に電話をかけ、どんな告白をするのか。
そして、マイケルにゲイであることを隠していると責められるアランは一体誰に告白の電話をかけるのか。
やがてパーティーの宴が終わったあと、男たちはどこへ向かうのか…。
作品について
1968年オフ・ブロードウェイで初演され、1000回を超える公演を重ねたワンシチュエーションの傑作会話劇。
70年には舞台版と同じキャストによってウイリアム・フリードキン監督が映画化。
ハリウッド作品としては初めて 同性愛者を真正面から描いた作品と言われる。
日本国内では故・青井陽治氏の翻訳・演出で83年に初演され、様々な俳優陣によって上演されている。
初演から50年を経た2018年、オフ・ブロードウエイではなくオン・ブロードウエイで、全員がLGBTであることを公言しているキャストたちにより4月から8月にかけて期間限定の上演が行われた。
出演したのは、人気ハリウッド スターやブロードウェイのスターの9人。
主役のマイケルには、『ビッグ・バン・セオリー』のム・パーソンズ、ハロルドには映画『スター・トレック』シリーズのMr.スポック役でお馴染みのザッカリー・クイント。
他にマット・ボマー(『ホワイトカラー』)、アンドルー・レイノルズ(『ガールズ/GIRLS』)、チャーリー・カーバ―(『デスパレートな妻たち』)、ロビン・デ・ジーザス(ミュージカル『ウィキッド』)、ブライアン・ハッチソン(ミュージカル『マン&ボーイ』)、マイケル・ベンジャミン・ワシントン(『アンブレイカブル・キミー・シュミット』)、タック・ワトキンス(『デスパレートな妻たち』)といった錚々たるキャストが結集した。
15週間の限定上演にもかかわらず、連日スーザン・サランドンやジェシカ・ラングなどのハリウッドスターが観劇に来場、三大ネットワークのトークショー番組ではキャストたちが連日出演するなど、大変な話題となった。
翌19年には、米国の主要な演劇賞である第73回トニー賞において、「ノーマーク」とされながら演劇リバイバル作品賞を見事受賞。
原作のマート・クローリーがトロフィーを手に、この50余年のLGBTを取り巻く環境の変化に涙しながらスピーチを行った。