<会見&公開稽古>東出昌大の主演舞台「豊饒の海」、会見で「最後まで胸を張って舞台に立ち続けたい」と堂々宣言!

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俳優の東出昌大が主演する舞台「豊饒の海」が初日を迎え、7日に紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで、会見と公開稽古を行った。
東出昌大にとっては、今回が3年ぶり2作目の舞台出演になる。

「豊饒の海」は、第一部「春の雪」、第二部「奔馬」、第三部「暁の寺」、第四部「天人五衰」からなる全四部の三島由紀夫による小説で、今回が初の舞台化。

12月2日(日)まで、東京公演(紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA)が行われ、12月8~9日には大阪公演(森ノ宮ピロティホール)が行われる。

初日前会見

プレビュー公演を経て本日初日です。心境を聞かせてください

演出:マックス・ウェブスター)本日はここに居ることが出来てとても光栄です。
またこの素晴らしい役者さんと共に三島由紀夫の四部作を手掛けることが出来てとても幸せに思っております。
すでに3回のプレビューを終えて今夜お客様に初日をお見せ出来るのが本当に嬉しいです。とても楽しみです。
是非この作品を興味深く、そして楽しんでいただければ幸いと思っております。
そして感動していただければ何よりです。
(通訳:寺田ゆい)東出)今日、初日を迎えることになります。ここまでプレビュー公演を経て、私事ですが非常に良い感触を感じております。
僕自身、三島のファンで「豊饒の海」のファンでした。
ですが、三島作品というものを全く汚すことなく舞台上に表出させることが今回出来ると思います。
その思いは確信となりました。
ですので、最後まで胸を張って舞台に立ち続けたいと思います。よろしくお願いいたします。宮沢)今回で僕の舞台出演が2回目という事で始まるまではとても緊張していたのですが、その上「豊饒の海」を舞台化すると聞いて、どの作品をまず舞台化するのだろうと。
まさか、四部すべてを舞台化するなんて、なんて無謀なことに挑戦するのだと思いました。
実際に稽古が始まって皆さんの力で何とか作品になっているので、初日を迎えられてお届けできるの嬉しく思います。上杉)三島由紀夫の「豊饒の海」を舞台化するということで、この作品が僕にとっても皆さんにとっても、これまでの人生とこれからの人生で何か決定的なもの、何か引っかかる物、いつ見るか何歳で観るか、誰と観るか、人生に持って帰ってもらえるような作品になっていると自信を持って言えますので、是非楽しんでいただけたらと思います。大鶴)今日初日を迎えるにあたって興奮と恐怖が入り混じっている気分なのですが、やることは稽古場とプレビューでやってきたと思いますので、言葉と頼もしい共演者を信じて瞬間瞬間を楽しんでいきたいと思います。
あとは、東出君と二人三脚で大正時代を駆け抜けたいと思います。首藤)本当に素晴らしいスタッフとキャストに囲まれて、しっかり稽古をしてきたので初日を迎えられて本当に嬉しいと思います。
あとは丁寧に、ひとつひとつの美しい言葉を喜びをもって走っていきたいと思います。笈田)三島先生に最後にお会いしたのは、お亡くなりになる5ヵ月前でした。
その時先生から、先生の御決意などを伺って、それ以来、早48年間の歳月が過ぎました。
ちょうど今月、先生の祥月命日、11月という命日の月にこの芝居をやらせていただくのは何とも言えなく、感無量でございます。

これまで三島作品は、海外でもファンが多く、様々なアーティストが題材にしてきました。
今回、日本で演出するにあたり重要視したことは何ですか?

マックス)このプロジェクトが始まるにあたって、三島について沢山の文章を読みました。
インタビューなども沢山読み漁りました。
彼が割と最後に残した文章で、「僕がやることを日本の人々は嫌うでしょう。なんて楽しみなんだ」って書いてあったんですね。
そして「西洋の人々は僕がやろうとしてることは分かりすらしないだろう。なんて楽しみなんだ」って書いてらっしゃいました。
なので、彼はその段階で自分の作品が日本で、また欧米で捉えられ方が全然違うんだろうなという事を把握してらっしゃったんです。

ここ数カ月、日本の役者さん、そして日本のスタッフの皆さまとご一緒して、三島由紀夫が日本でどういう意味を持つのかということについて、沢山経験させてもらいました。
彼の言語の美しさを身に染みて理解するようになりました。
そして、彼が提示したものが今でもとても重要なんだということを痛感しました。

東出から舞台プロデューサーに逆質問が飛んだ。
「毛利さん、なぜ今『豊饒の海』だったんですか?初めて聞きます」

プロデューサー:毛利美咲)まず私がこの小説が好きだったってことと、3年前、単純に東出さんと舞台がやりたいなと思っていました。
東出さんが舞台出るとなるとどんな作品が良いかなと思っていたのと、輪廻や転生っていまの現代でみんなが考え始めていたころだったんじゃないかなと思った時に、思いついたのが「豊饒の海」でした。

後は、生きることと死ぬこと、そして生きること、これをこの「豊饒の海」は、それぞれの登場人物を通して、ずっと我々に投げ掛けてくれているような、私にとっての小説なんですね。
色んな生き方があると思います。
そんな、生きる、死ぬ、そして生きるっていうシンプルなことをお客様に伝えたいと思いました。

笈田)毛利さんに感謝したいのは、半世紀前の作品がいまだ今日に現代の問題として再生してくださったことに感謝いたします。

毛利)三島さんの小説はとても良い小説なので、若い方々にもこれをキッカケに触れて頂きたいなと切に願っております。

公開フォトコール

2018 PARCO PRODUCE “三島 × MISHIMA”『豊饒の海』

原作

三島由紀夫

翻案・脚本

長田育恵

演出

マックス・ウェブスター

出演

東出昌大 宮沢氷魚 上杉柊平 大鶴佐助 神野三鈴 初音映莉子 宇井晴雄 王下貴司 
斉藤悠 田中美甫/首藤康之 笈田ヨシ

東京公演

■公演日程:
 2018年11月3日(土)~5日(月)プレビュー公演
 2018年11月7日(水)~12月2日(日)本公演
■会場:紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
■料金:9,000円 プレビュー料金:6,000円(全席指定税込)

大阪公演

■公演日程:2018年12月8日(土)~12月9日(日)
■会場: 森ノ宮ピロティホール
■料金:8,000円(全席指定税込)

スタッフ

■ステージング:小野寺修二
■音楽:アレクサンダー・マクスウィーン
■美術:松井るみ
■衣裳:宮本宣子
■音響:井上正弘
■照明:佐藤啓
■ヘアメイク:川端富生
■舞台監督:本田和男
■プロデューサー:毛利美咲
■製作:井上肇
■企画製作:株式会社パルコ

LINKS

公式サイト:http://www.parco-play.com/web/play/houjou/