2018年の約束を果たし「Act Against AIDS」から「Act Against Anthing」へ!2020年12月1日に日本武道館でチャリティーイベント開催決定
<12月1日・世界エイズデー>に岸谷五朗の呼びかけで1993年からスタートしたAct Against AIDS「THE VARIETY」。
『AIDSについて関心を持つことで解決できる問題がたくさんある。ひとりでも多くの方にAIDSへの関心を持っていただきたい』という気持ちでこの活動をはじめた。
キッカケは、当時、岸谷が放送していたTBSラジオ「岸谷五朗の東京RADIO CLUB」に「実は私、エイズなんです」と15歳の少女から手紙が届いたことだった。
当時は「くしゃみをしただけで感染する」「握手をしただけでエイズになる」などといった間違った情報ばかりが蔓延しており、かなり偏見があった時代。
手紙を送った少女も絶望し、手首を切って自殺を図ろうとしたことを綴った。
しかしその少女の両親や友達が支えたことで生きる喜びを実感し「もう死のうとは考えたりしない」と手紙を〆ていた。
手紙を受け取った岸谷は「まずは正しい知識を知ってもらう必要がある」とAct Against AIDSを発起。
1993年12月1日に第1回目の「Act Against AIDS ‘93. GORO KISHITANI PRESENTS “THE VARIETY”」を国立代々木競技場第一体育館にて開催し、以降、2018年まで26年続くエイズのチャリティーイベントになっていた。
「Act Against AIDS」の終了を報告
そして2018年。
エイズは薬の開発などにより、事務局が立ち上がった当初の「エイズは死んでしまう病気」から「エイズ=死ではない病気」へとなっていった。
そしてエイズだけではなく、他の病気などもっと幅広く支援を行っていくため「Act Against AIDS」は活動を停止すると発表。
岸谷が推進している「THE VARIETY」チームはチャリティ活動をこれからも継続し、2020年に「Act Against Anthing『THE VARIETY 27』」として開催する予定だと日本武道館で報告した。
2018年の開催前に行ったインタビューで、岸谷は、
AAA運営事務局は無くなるけど、例えば「アクト・アゲインスト・エニシング」であれ、エイズに50%、残りを日本のために寄付をしたり、など考えているので、また応援してください。
今までと形は変わるかもしれないんだけど、僕らは続けようと思っている。
と話していた。
総額3億815万3688円の寄付金が集まる
2018年の寄付額は1777万1619円になり、これまで26回の活動で支援した金額は総額308,153,688円と3億円を超えた。
主に国内でのAIDS啓発活動やルーマニアでのHIV感染孤児への支援などのために寄付されたという。
そして近年の収益金は特定非営利活動法人「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」を通じて、ラオスのルアンパバーンにある『ラオ・フレンズ小児病院』に寄付され、医療設備の充実や医療スタッフの育成に充てられている。
他にも支援が必要なことが把握でき「Act Against AIDS」は「Act Against Anthing」へと進化
「THE VARIETY」チームが支援している『ラオ・フレンズ小児病院』では、エイズ以外の患者もおり、栄養失調や伝染病など、多岐にわたる難題が浮き彫りになっていた。
そして、日本も例外ではない。
現在のコロナウィルス感染症を始め、全国各地で発生してしまっている自然災害。
支援が必要なのは、エイズだけではないと長年考えていたという。
現に、2012年のAAAでは2日間の開催となり、エイズデー前日の11/30は東日本大震災被災地チャリティーとして『Act Against AIDS 2012「THE VARIETY 20」-頑張れ東北-』を開催している。
Act Against AIDS 2018「THE VARIETY 26」の開演前の会見で、岸谷は、
我々「THE VARIETYチーム」はみんなで話し合ったのですが、ラオスに行ってきてHIVで苦しむ子供たちがほんの一部だという事にまた突きつけられて、春馬も2年連続で視察に行ってくれたのですが、沢山の栄養失調の子供だったり脳性麻痺やもっと治らない病気を抱えた子供たちが最貧困のラオスにはいっぱい居ます。
その子たちの支援を含めて「ActAgainstAIDS(AAA)」は、HIVはもちろんより広い支援を行っていくため「Act Against Anthing(AAA)」へと名前を変え、AAA活動を僕らは行ってまいります。
と伝えている。
治療法の進歩により死亡率が激減したこと、さらに、HIV感染を早期に知り、適切な治療を受ければエイズ発症を防ぐことができるようになったことなどにより、Act Against AIDS活動設立当初の目的である「無知の状態からのエイズ啓発」において一定の成果をあげることが出来たと考え、1993年7月20日の設立したAAA運営事務局は、2020年7月20日をもって役割を終え、27年に渡って活動を終了する運びとなった。
岸谷五朗、寺脇康文、三浦春馬が主導していた「THE VARIETY」チームは、1997年から利用していた日本武道館が東京オリンピックによる大改修のために2019年の利用が出来きなくなり、一足先に2018年の開催をもって活動を終えていた。
Act Against Anything VOL.1を2020年12月1日に日本武道館で開催決定
日本武道館は大改修を終え、先日報道陣に内部が公開されており、今年12月1日に新しくなった日本武道館でAct Against Anything VOL.1「THE VARIETY 27」を開催することが発表された。
しかし残念ながら、奇しくも新生AAAが始まるタイミングで、三浦春馬の姿はない。
今回の開催にあたり、岸谷と寺脇が三浦に対してのコメントを発表している。
AAA2020開催にあたり
三浦は2007年~2008年、2010年~2015年と出演者で参加し、2016年からは岸谷・寺脇・三浦の3人態勢によるMCに加わった。
そして、今まで幾度と『ラオ・フレンズ小児病院』を訪問している。
その様子や、実際に寄付金がどのように使われているかを日本武道館で動画や写真と共に伝えてきた。
特に印象的だったのは、寄付金が病院建設や訪問に使用する車、機材などといった目に見える形ある物だけに使われているのではなく、現地スタッフの育成にも使われている点だ。
『ラオ・フレンズ小児病院』に対して「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー」の最終目標は、2024年に病院の運営をラオス政府に受け渡すこと。
そして、それまでに質の高い心のこもったケアが提供できるように、スタッフを育成することがとても重要になる。
現地スタッフに講習会を何度開いても、技術が身に付かなければ意味が無い。
しかし、技術を身に付けるための費用は形が無く、目に見えにくい。
その為、一般的にチャリティーでは寄付をした側に理解してもらいやすい機材や薬などといった形あるものにばかり寄付され、教育に関するものへは寄付金が届きにくいとの事だ。
『ラオ・フレンズ小児病院』に従事する「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー」代表の赤尾和美さんはインタビューでこのように話していた。
スタッフの教育が一番大事なことなのですが、これまでなかなかそこに支援が回ってくることがありませんでした。
ですので、AAA運営事務局から「スタッフ教育は重要である」と認めて頂いたことはとてもありがたいです。
教育することで、いままで見えてこなかったHIVに感染している子供たちが陽性だと分かったりしてきました。
また、赤尾さんはスタッフ教育の必要性において、こうも話している。
スタッフの教育が一番重要だと思います。
お薬があってもお薬を出す側のスタッフが使えなきゃいけない。
また、お薬を提供した後に提供しっぱなしで良いのかと言ったら、そうではない。
実際に多くの所で、薬を提供してもきちんと飲まれていなかったりしています。医療機器が備わっていても使われていなかったり。
使わなければならないところでも使われていない。
そんなことが多々ありました。寄付をする側にしてみれば、目に見えるもので例えば「テーブル」なんかの目に見える形のあるものになりがちです。
人材育成となると「何をもって育成となるか」ってなってしまうんです。
私たちにとっては「スタッフの教育」が一番重要なのですが、そこが一番お金が出ないところなんですね。
ですので「スタッフ教育にお金を使っていい」って言っていただけるのは、すごく助かります。三浦春馬さんがラオ・フレンズ小児病院に来てくださって、「人を教育していくこと」「人材を育成していくこと」がとても重要だと認識していただいたので良かったかなと思います。
寄付する側の都合で提供した薬や機材は、使われることで寄付したお金が報われる。
使われないと何の役にも立たない。
それこそが、一番無駄な使い方だ。
だからこそ三浦は、形として見えないけれど、スタッフを育成するために寄付金が使われ、育ったスタッフによって病院が運用され無駄なく使われている日本武道館で報告をしていた。
三浦のこの役目はとても大きかった。
この事について、岸谷はインタビューで、
俺ら(岸谷・寺脇)の歳だけじゃない、20代のところに触れられるじゃない。
春馬たちの同世代と。そうすると、俺たちが20代に話をすると押しつけがましくなっちゃうんじゃないかって思うんだよね。
それよりは春馬の同世代には春馬が話してくれる方が良くて。
と話している。
三浦がMCに加わることによって、日本武道館に集まる客層が大きく変わった印象がある。
それはもちろん、三浦春馬の姿を見たくて集まったファンたちだ。
Act Against AIDS「THE VARIETY」はなぜ、毎年開催されてきたか?
支援するための寄付金集めではあるが、大前提として「エイズには知るワクチン」というテーマがある。
発足のキッカケになった、15歳の少女から手紙。
その中には、差別や偏見に絶望したと記されていた。
だから、差別を無くすため「まずは正しい知識を知ってもらう必要がある」事を根底に、これまで開催されてきた。
エイズの話題は一時期の事と比べると、かなり減っている。
若者にはエイズに対しての理解度が低いのではないか。
だからこそ、若者代表として三浦の発したコトバが若者の耳にダイレクトで伝わり、認知されてきた。
日本武道館に集まった若者も含めた人たち、そしてテレビやSNSでこのイベントの事を知った人たちに、エイズについての理解をしてもらうことがとても大きなコンセプトとして存在している。
1回だけの開催ではなく、浸透させるべく毎年繰り返して訴えることがとても重要だった。
彼の姿はもう無いが、今回のAAA、そしてこれからのAAAに伝承していくころだろう。
Act Against AIDS 2018「THE VARIETY 26」の開演前の会見で三浦春馬はこうコメントしていた。
2015年に初めてラオスのラオ・フレンズ小児病院に行かせて頂いたのですけども、その時に「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」が、どうやってこの病院を現地のスタッフだけで運営していくのかということを目指して、10年プロジェクトとして、続けている最中です。
その中で、五朗さんも仰っていただいたように、エイズの子供たちだけではないんですね。
脳性麻痺やもっと難病と言われている色んな病気を抱えた子供たちがその病棟にいます。そして、「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」の代表でもある赤尾さんがいつも言っているのが、現地スタッフだけでこれからやっていくためには、現地スタッフの育成というものがすごく必要になってくるのだと。
「Act Against AIDS」ではなくて「ActAgainst Anthing」とすることで、ラオスの病棟の未来を開いていけるんだということで、五朗さんからその話を頂いた時に、すごく付いて行きたいなと思いましたし、踏襲していきたいなと思いました。
Act Against Anything VOL.1「THE VARIETY 27」
日時
2020年12月1日(火)
会場
日本武道館
出演
岸谷五朗 寺脇康文 ほか
LINKS
Twitter:@AAA_variety
Facebookhttps://www.facebook.com/AAAvariety
Act Against AIDS 「THE VARIETY」 これまでの寄付について
1993年~2005年
主な寄付先
・ルーマニア
・国内高校・保健所パネル
・国内感染者・患者支援
寄付金の使用用途
◎各年ルーマニア→HIV感染孤児への支援
・食費(毎月平均延べ150名〜200名)
・住居(暖房・修繕・家具・電話代等)
・衣料(衣料・寝具・靴 等)
・生活雑貨(洗剤・石鹸・シャンプー・衛生用品・清掃用品・電球等々)
・車輌関連(移動用ワゴン車・救急車・往診車<2台で兼用>燃料費・維持費)
・教育関連(文具・教科書・事務用品等)
・医療(薬代・検査関連費)
・人件費(施設・病院のソーシャルマザー・看護婦等の人件費)
・送料(日本から送る古着の送料)
・その他(住民税・誕生日プレゼント・成長記録写真・葬式・マトゥーシャ先生の管理業務サポート等)
・貧困な家庭の感染児へのサポート(通院交通費等)
・通院交通費・衣料・食料品
・貧困な家庭の感染児発見、調査、サポート
・レギュラー支援以外の施設への不定期支援(主に食費)
◎高校・保健所パネル
・エイズ知識パネル
・ルーマニア孤児紹介パネル
・毎年全国約300校の高校・中学と、約100ヶ所の保健所、エイズ関連イベントに貸出・使用
◎各年国内感染者・患者支援
・日本国内の感染者・患者の方々へのトータルサポート
2007年~2017年
主な寄付先
・日本ユニセフ協会
・フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN
・AAA啓発活動
寄付金の使用用途
◎ラオス支援
2007年~2011年は日本ユニセフ協会のプロジェクト(エイズの影響にさらされている子供達の支援)に協力。
2012年より特定非営利活動法人「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」を通じ、ラオスに建設中のラオ・フレンズ小児病棟設立プロジェクトの支援費、医療器材費、スタッフ育成費などに充てる。
◎AAA啓発活動支援
全国の学校や保健所等に配布されるエイズ知識啓発ポスター制作・発送及び運営費。
◎東日本大震災支援 ※2011年~2012年
岩手県大槌町のまちづくり、NPO法人つどいを通じ、仮設図書館や足湯等、人が集える場所設営費用および小中高生の部活動支援や校外体験授業サポート費。