<ライブレポ>toitoitoi presents 2man live『対峙 vol.3』~指先ノハク編~
toitoitoiが企画する2マンライブ『対峙』
vol.3は、グッドメロディと奇天烈で攻め込んだサウンドが絶妙なバランスで成り立っている個性派女流バンド「指先ノハク」を迎えて2017年10月19日に行われた。
この日、東京では最高気温が12.3度。10月中旬としては79年ぶりの寒さ。
そして台風21号が近づく雨模様。
外は凍えるような寒さだったが、ライブハウスに入るとお客さんでフロアが満たされすでに熱気が立ち込めていた。
指先ノハクが最初の1音を鳴らした途端、さらにライブハウスの温度が上昇しまくった。
【カメラマン】
・KodaiUwabo(@gefuhlaureole)[official]
toitoitoi presents 2man live『対峙 vol.3』~指先ノハク編~
■10/19(Thu.)
会場:新宿 Marble
開場:18:30 / 開演 19:30
出演:toitoitoi / 指先ノハク
START
岸川のキーボードとムラコシのギターの間、センターに箱馬が用意される。
ステージが低く段差が少ないため、時折、箱馬に乗って岸川が歌う。
toitoitoiが演奏を始めて3曲。
どことなくおとなしめで、シットリとした雰囲気があった。岸川のMC。
「
10月19日にようこそ!toitoitoiです。
やってまいりました、轟音と戦うシリーズ(に今回はなった)対峙Vol.3です。
みなさまようこそお越しいただきました。ありがとうございます。
今日は指先ノハクを見に来た方もいらっしゃると思います。
対峙Vol.3の対戦相手、対戦相手なのかな?
(言い方なんて)もういいよね、対戦相手は指先ノハクでした。ありがとうございましたー。
受けるも受けさせるも、そこから始まっていた勝負だったのですが、対バンを受けてくれて、たくさんの人に見守られて今一緒に戦えている事をとても嬉しく思います。
まずは皆さん雨の中来てくれてありがとうございました。
」
会場は大きな拍手が鳴り響いた。そして、先日発売したニューアルバムについて話す。
「
2017年9月6日、toitoitoiの4thアルバム『きかざる』が出ました。
4枚アルバムを作るということは、誇らしい事です。
わたし、皆さんにお知らせをする時に今続いていることを告知解禁と言って伝えられることをとても誇らしく思っています。
この対峙もそうだし、CDを出すのもそうだし、だからこの場に居てくださって、CDを聞いてくださって、拳を上げてくださって、何も分からなくてtoitoitoiを見た人もその物語の始まりを歌で伝えられるのがとても嬉しいです。
「すごい良いアルバムなんです」
・・・って言うじゃんみんな(笑)
(聴かなきゃ)わかんねーよっていう話だからさ、今日はアルバムからたくさん曲を用意しました。
対峙Vol.3は私たちの『対峙』でもあります。
思う存分、対峙してください。何にでもいいですよ。
その瞳で私を見るのも対峙、だったら私と戦いましょう。相手しますんで。
対峙Vol.3よろしくお願いします。
」
ファンを大切に想う言葉の端々にもその牙を剥き出しにした岸川の本気が伝わってくる。
この日は『きかざる』に収録されている新曲を中心としたセットリストでM08まで進む。
ここまできて、今までのライブとは異なる違和感があった。
岸川がフロアに出ていない!これまで見てきたどのライブでも岸川は、必ずフロアに降りてオーディエンスに囲まれながら歌う姿があった。
今回のライブハウス「新宿 Marble」には、ステージとフロアを隔てる柵があり、その柵に昇って体を突き出すことはあっても、柵を乗り越えることはしなかった。
岸川のMC。
「
私はどうしても物理的距離を気にしてしまう。
みんなの顔が見えるとか、みんなの涙が見えるとか、みんなの笑い声が聞こえるとか、きっとそんなのはどうでもいい。
私たちが居るこの空間の空気の振動は、そんなのどうだっていいんだよ!
みんなが思っていることを感じているよ、みんなが歌っているのを感じている、何を思っているか分からないけど、この瞬間ここに居るんだもの。
」
支離滅裂に聞こえるかもしれない。実際、支離滅裂だ。
しかし、これがtoitoitoiのライブのすべてを表している。
”好きなスタイルで聴いてもらって構わない”と公言する岸川。
誰がどんな聴き方をしようともtoitoitoiがこの空間を作ってるという自負があるからこそ、フロアの自由を許容する。
それは彼女の自信の表れだ。
そこには音楽をただ愛するということだけで緩やかに繋がる懐の深い心地よい空間がある。
「
私たちは繋がっているって知ってます!
だけど、私が言えるのは「歌を歌う」ただそれだけなんです!
それで何が伝えられるか?
私は魂を削って歌を歌ってます!
ウソじゃないんです!!
それが伝わらなかったら意味がない?そんな言葉どうだっていいですよ!
だから対峙を始めました。私との対峙でもあります。
付き合ってくれてありがとう!みんな!
それが私たちの『日常』です。
」
締めくくりの一言がM9『日常』のタイトルコールとなり演奏が始まる。そして、M10の『ひろがれ・ザ・ワールド』でオーディエンスは否応なく上がる。
全身を震わせるように歌いながら岸川が柵を登る。
フロアでは岸川が降りて歌えるように待ち構えるファンがスペースを作るが、柵を乗り越えない!ライブ後、岸川に話を聞くと、今回は「フロアに出ない」と決めていたそうだ。
柵から身を乗り出す姿は、まるで表面張力を見ているようだった。
ギリギリまで乗り出すが、彼女は決して降りないのだ。
これまではフロアに降りて歌いオーディエンスを巻き込んで盛り上げていたが、今回はフロアに降りずともステージから最後列までtoitoitoiの波動を届け、フロア全体が一体となる盛り上がりをみせていた。M10が終わり、興奮冷めやらぬ中、岸川のMC。
「
いまさら気付いてしまったのですが、箱馬の上にイスを置くのはムラコシ君だったはずです。
そうしたらムラコシ君が見えたのに、見えるチャンスを私が奪い取りましたね。
自分が目立つために(笑)
後ろの方も見えていない方もいるかもしれませんが、ここにギターのムラコシ君が居ます。
ありがとう!
」
立ち上がり、お辞儀をするムラコシ。
『対峙』について触れる。
「
この対峙というイベントが年末まであります。
別に毎月やれって言われた訳じゃないんですけど、自分で「やる」って言ってしまったんですね。
戦いたかったんでしょうね、きっと。
11月16日、12月28日と年内は決まっています。
何が生まれるか、みんなの中に何が生まれるか、私が何か思い直すか、分からないですが、『対峙』という名前にして良かったなといま誇らしく思います。
みんなに知らせることは誇らしい事が良いです、やっぱり。
だから「お知らせがあります」「拡散希望!〇時にお知らせ」って言われたときは安心して構えていてください!
良いお知らせにするから。それが誇りです。
」続けて、
「
みんなとこうやって顔を合わせているから、恥ずかしい事は出来ないなって思います。
「信じてください」って言うのは簡単だけど、ほんとに信じてもらって大丈夫です。
カッコ良くなるので。もっともっと。
toitoitoiでした。ありがとうございました。
」
二人は盛大な拍手の中ステージを後にした。本編を歌い切った。
結局、フロアに降りなかった岸川。
これまでの『対峙』を見てきて、いろんな姿を見せてきており、今回は「降りない」姿を見せたのだろうと理解する。
アンコールを受けて再登場したtoitoitoiの二人。
岸川は
「
今日出てくれた指先ノハクは、私が普通に「やらない?」って誘ったら「いいよ」言ってくれました。
指先ノハクとやるのはすごい久しぶりで最初の対バンが4年くらい前。
それからやってなくて、ずっと印象には残っててめちゃくちゃカッコ良かったなって。
なので声を掛けました。
出演が決まった後に、9月のイベント(JAM FES 実行委員長 カズマックス presents 「MAX NIGHT!!」@新宿JAM)で対バンしたのだけど、私は指先ノハクのライブが見れなかったんです。
だけど、今日までとっておけて良かったと思いました。ほんとに。
新宿Marbleも私たちは沢山出ているライブハウスですが、ずっと「企画やろうね」って言ってて口約束にならずに今日を迎えられて本当にうれしいです。
ありがとうございました。
「ライブハウスは宝箱だ」ってずっと言っていて、自分でそれが出来るのかって思っているんですけど、出来たら良いなって思って。
良い部分も悪い部分もきっとあって、全部が全部ハッピーな訳じゃないと思うんですけど、この2時間の間に「ライブハウスは楽しいな」って思ってくれたら本当にうれしいです。
私、ライブハウス大好きなんで、みんなもそうだと思うんですけど、日本に沢山あるライブハウスで毎日毎日奏でられてる音楽に誇りを持って弾く人もやる人もみんなで素敵な文化を作っていけたら良いなって思ってます。
すごい壮大な話になっちゃった。
誇りを持ってここに立っていないとなって『対峙』をやっています。
見届けてくれて本当にありがとうございます。
年末まで頑張ります。みなさんどうぞよろしくお願いします。
」アンコール曲『キスキスバンバン』
待ってましたと言わんばかりのオーディエンス。ここでボルテージは最高潮に。
柵を昇り、身を乗り出す。
オーディエンス全員がその表面張力ギリギリになった状態を突破させた。
ついに、岸川がフロアに降りてオーディエンスに囲まれながら共に歌う。
「アンコールありがとうございました!」と言い残し、ステージをはける二人。
けれど、鳴りやまない拍手。
Wアンコールで三度登場。
登場しながら岸川は、「何も決めてくれないよ、ムラコシ君が。。。」とぼやく。
「足腰が立たなくなる系と、うんうんってなる曲とどっちがいい?」と客席に問うが、すぐさま「そんな曲ねーなー」と笑った。
すかさずイントロを弾きはじめるムラコシ。
岸川は「歌を作りました。みんなと歌えると良いなと思って作りました。その時その時で全然変わってきちゃうんだけど、それもいいなって思う歌です。
産声という意味を付けました」と話し、歌い出す。
Wアンコール曲『呱々』
歌い終わると、「もう拍手はさせない」と言いながらステージから直接、フロア後ろの物販コーナーに行き、販売を始める岸川であった。
セットリスト
M1:さいなら
M2:ペネロポ
M3:雲の食べ方
M4:oz
M5:ブルーチリ
M6:失言小町
M7:おくちプランター
M8:お言葉散歩
M9:日常
M10:ひろがれ・ザ・ワールド
M11:息子
EN:キスキスバンバン
W EN:呱々
toitoitoiツーマンライブ『対峙』シリーズ
vol.4は、新宿JAMで開催。
年内いっぱいで閉店する新宿JAMでの出演はこれが最後に!
対バン相手は11月にメジャーデビューする「クアイフ(Qaijff)」に決定した。
ライブパフォーマンスに定評のあるtoitoitoiがリスペクトするアーティストを招いての真剣勝負イベントによって、ライブハウスのフェス化/サーキット化の風潮に待ったをかけ、じっくりと向き合う楽しみ方を提案していく。
今後のシリーズラインナップ発表にも期待してほしい。
toitoitoi presents 2man live『対峙 vol.4』~クアイフ(Qaijff)編~
■11/16(Thu.)
会場:新宿JAM
開場:18:30 / 開演 19:30
前売:2,500円 / 当日 3,000円
出演:toitoitoi / Qaijff
toitoitoi presents 2man live『対峙 vol.5』
■12/28(Thu.)
会場:渋谷LIVE STAGE GUILTY
開場:未定 / 開演 未定
前売:未定
出演:toitoitoi / 後日発表
2017/12/28 @渋谷LIVE STAGE GUILTY
List of 対峙
▼toitoitoi presents 2man live『対峙 vol. 1』~The Taupe編~
2017/8/9 @新宿MARZ
▼toitoitoi presents 2man live『対峙 vol.2』~カトキット編~
2017/9/2 @下北沢 CLUB QUE
▼toitoitoi presents 2man live『対峙 vol.3』~指先ノハク編~
2017/10/19 @新宿 Marble
9月6日リリース!toitoitoi 4th full album『きかざる』
前作「ニホンバシ」のリリースからたった9ヶ月でニューアルバム『きかざる』をリリース。
このアルバムは、気の許せるミュージシャン/レコーディングエンジニアとの制作を経て、圧倒されるほどの生々しさとディテールを表現。
完全に”地下室からの脱却”の準備は整ったと言っていい仕上がりになっている。
多数迎えたサポートメンバーの中にはtricotでもサポートDr.として活躍する吉田雄介、ウッドベースにキイチビール (キイチビール&ザ・ホーリーティッツ)、クロダセイイチ (Genius P.J’s)、Sakiko Osawa (OIRAN MUSIC)、須藤晃(no entry)なども名を連ねた。
【収録曲】
1. さいなら
2. 雲の食べ方
3. ペネロポ
4. oz
5. ブルーチリ
6. 失言小町
7. 日常
8. おくちプランター
9. <pffp>
10. 息子
収録全10曲 / 価格:2,315円+税
品番:TOTR-1701
発売元:“T”RUST OVER 30 recordings
販売元:PCI MUSIC
LIVE SCHEDULE
■11/13(Sun.)
Circuit 世界の砂場から’17
会場:名古屋 新栄4会場(APOLLO BASE、SiX-DOG、Live & Lounge vio、parlwr)
開場:11:30 / 開演 12:00(出演時間:BATERIA parlwrにて17:15~17:45)
前売:3,500円 / 当日 4,000円 + 1D
■11/16(Thu.)
toitoitoi presents 2man live『対峙 vol.4』~クアイフ(Qaijff)編~
会場:新宿JAM
開場:18:30 / 開演 19:30
前売:2,500円 / 当日 3,000円
出演:toitoitoi / Qaijff
■11/23(Thu.祝)
Altinas cuff & NOSIDE pre. toitoitoi「きかざる」発売遠征~大阪編~
会場:京橋Arc
開場:18:00 / 開演 18:30
前売:2,000円 / 当日 2,500円 + 1D
出演:toitoitoi / Altinas cuff / grunband / 青い金魚 / OKABAR(O.A)
■11/25(Sat.)
TURN OVER Vol.1
会場:神戸RAT
開場:17:15 / 開演 17:45
前売:2,000円 / 当日 2,500円 + 1D
出演:toitoitoi / ふちなし / sixteencoins / ALL ITEM 10 TIMES / 高揚世界 / bradshow(bradshawコピー) / フード:yaggiしょくどう
■11/26(Sun.)
パニックバカンス2017
会場:京都GLOWLY
開場:12:00 / 開演 12:30(出演時間未定)
1日券:3,000円
■12/10(Sun.)
Crahs presents「IDOBATA”landmark”2017」
会場:代官山LOOP
開場:11:30 / 開演 12:00
前売:3,000円 / 当日 3,500円 + 1D
出演:toitoitoi / Crahs / ドミノライン / イエロー・シアン・マゼンタ / しなまゆ / キネマズ / アサトアキラ(バンド編成) / ユナイテッドサンタ / 166cm / トブトリオトス / サスケ / 凸凹凸凹-ルリロリ-
■12/28(Thu.)
toitoitoi presents 2man live『対峙 vol.5』
会場:渋谷LIVE STAGE GUILTY
開場:未定 / 開演 未定
前売:未定
出演:toitoitoi / 後日発表
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