主演・藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)が4年振りのストレートプレイに挑む!ヘンリック・イプセンの珠玉の名作『野鴨-Vildanden-』9月より東京・兵庫にて上演決定
真実は人を幸せにするのか。それとも-。
“近代演劇の父”と称されるヘンリック・イプセンの代表作を上村聡史が演出!
ノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセンは、19世紀ヨーロッパで主流とされていたヴィクトリア朝的な価値観―行きすぎた厳格さや節制を美徳とする偽善的な社会観念―を批評し、悪に立ち向かう高潔さを描いた勧善懲悪が期待されていた当時の演劇に革命をもたらした人物で、シェイクスピア以後、世界で最も盛んに上演されてきた劇作家とも言われ、そんな近代演劇の創設者が1884年に発表した珠玉の名作が『野鴨』。
イプセンは、納屋を“嘘”、外の世界を“真実”、そして“野鴨”を我々人間に例えることで、自己欺瞞によって自らを守ろうとする人間の弱さや、独りよがりの正義を振りかざす愚かしさを見事に描き出した。
この偉大な作品に挑戦するのは、戯曲の面白さを最大限に引き出す演出家・上村聡史。
観客の想像力を刺激する演出とともに、物語のもつ命題にどのように迫るのか注目だ。
主演は藤ヶ谷太輔!“正義”の奥の理想を追求する主人公に挑戦!
理想を追い求め、真実こそが正義だと信じてやまない“正義病”のグレーゲルスを演じるのは、アイドル活動に留まらず、俳優として舞台・映画・ドラマで活躍し続けるKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔。
2018年の舞台『そして僕は途方に暮れる』では平凡な青年が突如、孤独と絶望を経験していくという難役に挑み、静かな中にも圧倒的なエネルギーを舞台上で放ち強い印象を残した。
それから4年振りのストレートプレイ挑戦となる今作では、理想を追求するグレーゲルスをどのように演じるのか、歴史的名作戯曲に初めて挑む藤ヶ谷の新境地になりそうだ。
そして、妻と娘に恵まれ幸せに暮らしているグレーゲルスの幼馴染・ヤルマールを、これまで出演した数多くの映画・ドラマで個性的な役柄を怪演し評判を呼んできた忍成修吾が演じる。
豪商ヴェルレと関係のあった過去を持つヤルマールの妻・ギーナを、ドラマ・舞台で活躍し『ブラッケン・ムーア~荒地の亡霊~』(19)、『森 フォレ』(21)から3度目の上村演出を受ける前田亜季。
ヤルマールとギーナの娘・ヘドヴィクを、舞台を中心に活躍しNODA・MAPやこまつ座の公演で演技力を培ってきた八幡みゆきが演じる。
さらに、エクダル老人と過去に確執があるグレーゲルスの父・豪商ヴェルレを、長年演劇界を牽引し続け、多くの演出家から熱い支持を受けるベテラン俳優・大鷹明良。
軍の元中尉という過去の栄光から一転、今は落ちぶれてしまったヤルマールの父・エクダル老人を、舞台はもちろん映画・ドラマと数多くの話題作で視聴者に鮮烈な印象を与えている名バイプレーヤー・浅野和之が演じる。
嘘偽りの上に築かれた幸せが真実に晒されるとき、果たして正義はどこに存在するのか。
人々の価値観を根底から揺さぶる悲劇の結末。上村が創り出す劇空間と演技派俳優陣の肉声が融合し、これまでにない演劇体験をお届けする。
コメント&プロフィール
藤ヶ谷太輔 (ふじがや・たいすけ)
お芝居をすること、表現をすることが大好きなので、まずはそういった環境を与えてくださり、チャンスに巡り合えたことが嬉しいです。
名作なので、もちろんプレッシャーもありますが、怖がらず飛び込んでいければ、と今は思っています。
僕が演じるグレーゲルスは、“正義病”と言われるくらい正義感が強く、それが裏目に出てしまう役でもあります。
彼の信じる正義が物語に大きく関わるのですが、きっと観てくださるお客さまもどこか他人事とは思えないと感じていただけるはずです。
演出の上村さんは、以前作品を拝見したことがあり、空間の使い方や言葉の届け方がとても素敵な印象がございます。
また、上村さんと一緒にお仕事をしたことがあるA.B.C-Zの河合郁人くんからは、お芝居を一緒に考えてくださる演出家さんだと伺いました。
僕も先日お会いして色々とお話させていただく中で、すでにもう信頼を置いています。
この作品は、「真実」「嘘」「正義」がキーワードで、現代に通ずることがたくさんあります。
お客さま自身にも観て、感じて、考えていただけることがたくさんあると思いますので、僕もしっかりそれを演じ届けられるように頑張ります。
ぜひ、劇場にいらしてください。
プロフィール
1987年6月25日生まれ 神奈川県出身
Kis-My-Ft2のメンバーとして、2011年にCDデビュー。
アーティストとして精力的に活動するほか、『キスマイ超BUSAIKU!? 』『もしもツアーズ』(CX)、『10万円でできるかな』(EX)、『A-Studio+』(TBS)等、多くのバラエティー番組やCMなどで幅広く活躍。
役者としてもドラマ・映画・舞台など多数出演している。
近年の主な出演作に、【舞台】ミュージカル『ドン・ジュアン』(19・21)『そして僕は途方に暮れる』(18)、【TVドラマ】『華麗なる一族』(21・WOWOW)、『やめるときも、すこやかなるときも』(20・NTV)、『ミラー・ツインズ』(19・CX・WOWOW)、【映画】『MARS~ただ、君を愛してる~』(16・NTV)、『信長協奏曲』(16・CX)など。また、公開待機作にに主演映画『そして僕は途方に暮れる』がある。
演出:上村聡史(かみむら・さとし)
“近代演劇の父”と言われるイプセンの『野鴨』は、わかりやすく組み立てられた筋立てながらも、貧しさの中での幸福の意味や、信念と孤独の葛藤といった現代人にも通じるテーマが明快で、決して古びない物語性を感じます。
また登場人物が、ある瞬間かなり大胆な行動を起こすあたりに劇的な魅力があり、それを演じる俳優の醍醐味を想像すると一層の面白さがあります。
そしてその姿は、儚くも見えれば、笑えてしまうような場面が多々あり、『野鴨』は、まさにお芝居の宝石箱のような作品です。
イプセンが140年程前に創作した“グレーゲルス・ヴェルレ”というキャラクターも中々な人物で、今の時代にもある自粛警察やバッシングにも似た「独善的な正義」を、家族や親友、そして子供にまでふりかざし、三日間の物語時間を暴走します。
その暴走は、まさしく心理ホラーといっても過言ではないくらいのスリリングさがあるでしょう。
そんなヤバい男を、藤ヶ谷太輔さんと共に創っていくのですが、藤ヶ谷さんの頭の回転の速さ、シャープな立ち姿、クールでありながらもユーモアに満ちた感性におおいに頼らせていただき、ただの“狂気”だけで片付けることのできない、今の私たちの中にある「執念」をしっかりと描いていきたいと思います。
プロフィール
1979年生まれ 東京都出身
2001年に文学座附属演劇研究所に入所し、2018年同劇団を退座。
現在はフリーの演出家として活動。
2009年より文化庁新進芸術家海外留学制度において1年間イギリス・ドイツに留学。
2015年に『炎 アンサンディ』『ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる』の演出で第22回読売演劇大賞最優秀演出家賞、同じく同年『アルトナの幽閉者』『信じる機械』他演出で第17回千田是也賞を受賞。
2021年には第56回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。
今年2月に発表された第29回読売演劇大賞では、『Oslo(オスロ)』『森 フォレ』の演出で自身2度目となる最優秀演出家賞を受賞。
近年の主な舞台演出作に、『ガラスの動物園』『斬られの仙太』『ミセス・クライン』『終夜』『ブラッケン・ムーア~荒地の亡霊~』『オレステイア』『岸 リトラル』『冒した者』など。
あらすじ
豪商ヴェルレの息子グレーゲルスは久しぶりに山にある工場から戻り、
幸せな家庭生活を送っている親友ヤルマールに再会する。
そこで父ヴェルレの使用人だったギーナが、ヤルマールの妻になっていることを知り、ある疑惑が芽生える。
グレーゲルスとヤルマール二人の父親は、かつて工場を共同経営していたが、
ヤルマールの父エクダルがある事件の罪を一手にかぶり投獄され、家族は没落してしまった。
また、ヤルマールの妻ギーナは、過去に父ヴェルレとただならぬ関係があり、
その負い目から、父ヴェルレはヤルマール家に援助を与えていた。
そのささやかな家族の幸福は、嘘で塗り固められた土台の上に立っていた。
友に真実を告げて、真の幸福な家庭を手に入れてほしいと願うグレーゲルスだったが…。
『野鴨-Vildanden-』
作
ヘンリック・イプセン
訳
原 千代海
演出
上村聡史
出演
藤ヶ谷太輔 忍成修吾 前田亜季 八幡みゆき
伊達 暁 吉野実紗 山森大輔 齋藤明里 村上 佳
大鷹明良 浅野和之
東京公演
公演期間:2022年9月3日(土)~18日(日)
会場:世田谷パブリックシアター
チケット発売日:7月23日(土)AM10:00~
チケット料金:S席11,000円、A席9,000円(全席指定・税込)※未就学児入場不可
主催:TBS/サンライズプロモーション東京
兵庫公演
公演期間:2022年9月21日(水)~25日(日)
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
チケット発売日:7月30日(土)AM10:00(兵庫公演)
チケット料金:11,000円 (全席指定・税込)※未就学児入場不可
主催:兵庫県、兵庫県立芸術文化センター
スタッフ
美術:長田佳代子
照明:沢田祐二
音響:加藤 温
衣装:前田文子
ヘアメイク:鎌田直樹
演出助手:渡邊千穂
舞台監督:大友仁義
企画・制作
TBS/サンライズプロモーション東京
LINKS
公式HP:https://nogamo2022.com/
Twitter:@nogamo2022