南沢奈央、柾木玲弥、松岡広大、馬場ふみかの出演で描く、演出・白井晃×上演台本・ノゾエ征爾の初タッグ舞台『恐るべき子供たち』5月18日より上演
KAAT芸術監督・白井晃が手掛ける“近現代戯曲シリーズ”最新作。
『春のめざめ』再演に続き、同じく思春期の‘生’と‘性’をテーマにした本作を連続上演!
KAAT神奈川芸術劇場芸術監督・白井晃が就任以来取り組んでいる、近現代戯曲を現代視点で蘇らせるシリーズ。
2019年度は、2作品連続上演という新たな挑戦を行う。
まず4月~5月に、2017年にストレートプレイでの斬新な演出で話題となった『春のめざめ』を、新メンバーを加え、再演した。
その直後、5月18日より、同シリーズ最新作として上演するのが、この『恐るべき子供たち』。
演出・白井晃×上演台本・ノゾエ征爾の初タッグにより、ジャン・コクトー原作の中編小説を舞台化
『恐るべき子供たち』は、『春のめざめ』同様、思春期の少年・少女を主人公に、1929年に上梓した、フランスの詩人・小説家・劇作家 ジャン・コクトーの中編小説で、コクトーの代表作の1つだ。
小説だけでなく、詩、映画、批評などあらゆるジャンルの文学に精通しているコクトーの作品の中でも、古典文学の悲劇を思わせるという点で最もコクトーらしい作品とも言われている。
この舞台では、劇作家・演出家・俳優として活躍するノゾエ征爾が戯曲化を手がける。
ノゾエは、2012年に『○○トアル風景』により第56回岸田國士戯曲賞を受賞し、自身が主宰する劇団「はえぎわ」での作・演出のほか、舞台、映画、テレビドラマなどでの俳優としての出演など、様々なジャンルで活躍する俳優・劇作家・演出家。
今回が初顔合わせとなる白井晃×ノゾエ征爾が、それぞれ初めて挑むジャン・コクトーの世界に誘う。
【上演台本】 ノゾエ征爾(のぞえ・せいじ)
1975年生まれ。
脚本家、演出家、俳優。劇団はえぎわ主宰。
99年にはえぎわを始動以降、全作品の作、演出を手掛ける。
2012年『◯◯トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞受賞。
劇団外での活動も多く、16年にはさいたまスーパーアリーナで高齢者1600人出演の1万人のゴールド・シアター2016『金色交響曲~わたしのゆめ、きみのゆめ~』の脚本、演出を手掛けた。
近年の主な公演に、文学座アトリエの会『鳩に水をやる』(17/脚本)、世界ゴールド祭2018ゴールド・アーツ・クラブ『病は気から』(18/脚本・演出)、パルコプロデュース『命売ります』(18/脚本・演出)など。
【演出】 白井 晃(しらい・あきら)
早稲田大学卒業後、1983~2002年、遊⦿機械/全自動シアター主宰。
劇団活動中よりその演出力が認められ、演出家として独立後は、ストレートプレイから音楽劇、ミュージカル、オペラまで幅広く手掛けている。中でもポール・オースター作『ムーン・パレス』『幽霊たち』他やフィリップ・リドリー作『ピッチフォーク・ディズニー』『宇宙でいちばん速い時計』『ガラスの葉』など海外の小説や戯曲を独自の美学で演出し、好評を博す。
近年の演出作品に、『出口なし』『華氏451度』『バリーターク』『オーランドー』『春のめざめ』『マハゴニー市の興亡』『夢の劇-ドリーム・プレイ-』『ペール・ギュント』『Lost Memory Theatre』、『マーキュリー・ファー』『レディエント・バーミン』、『No.9-不滅の旋律-』『ジャンヌ・ダルク』、音楽劇『ヴォイツェク』、ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』、オペラ『愛の白夜』『オテロ』など。
第9回、第10回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。
05年演出『偶然の音楽』にて平成17年度湯浅芳子賞(脚本部門)受賞。
また12年演出のまつもと市民オペラ『魔笛』にて第10回佐川吉男音楽賞受賞。
『バリーターク』にて第11回小田島雄志・翻訳戯曲賞受賞。2016年4月よりKAAT神奈川芸術劇場、芸術監督に就任。
南沢奈央、柾木玲弥、松岡広大、馬場ふみかの出演で描く、愛情と憎悪、そして嫉妬に満ちた、思春期の姉弟の歪んだ関係
外界を知らずに成長し、弟との“王国”を守ろうとし続ける美しい姉・エリザベート役には南沢奈央。
姉と共に幼稚で享楽的な価値観のまま成長していく弟のポールに、幅広い役柄を演じて‘カメレオン俳優’とも呼ばれる柾木玲弥。
物語の語り部的役割を担うポールの友人・ジェラール役で、今回初のストレートプレイ出演となる松岡広大。
そして、柾木演じる弟のポールが密かに思いを寄せる、姉・エリザベートの友人・アガート役に、ドラマ「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」の新人看護師役で注目を集めた馬場ふみかの出演が決定。
馬場は、アガート役に加え、ポールが憧れる同級生の男子生徒・ダルジュロス役の男女二役に挑戦します。
また、子供たちを時に見守り、時に抑圧する”大人達”には、デシルバ安奈、斉藤悠、内田淳子、真那胡敬二ら実力派俳優陣の出演し、白井とともに、ジャン・コクトーの名作小説の舞台化に挑む。
南沢奈央(みなみさわ・なお)/エリザベート
1990年生まれ。埼玉県出身。
高校在学中の2006年に芸能活動をスタート。
ドラマ・映画「赤い糸」の瑞々しい演技で注目を集める。
その後も大河ドラマ「軍師官兵衛」や連続ドラマ「社長室の冬-巨大新聞社を獲る男-」に出演。
舞台『8人の女たち』(11)、『サバイバーズ・ギルト&シェイム』(16)、『WATER by the SPOONFUL』(18)、『罪と罰』(19)に出演するなど、ドラマ・映画・舞台・CMなど幅広く活動。
NHK-Eテレ「サイエンスZERO」では6年間に渡りナビゲーターを務めた。
現在はJ-WAVE「TOPPAN FUTURISM」ナビゲーター、読書家のための本の総合情報サイト「Book Bang」にて「南沢奈央の読書日記」を連載中。
特技は韓国語。趣味は読書・落語鑑賞・ボルダリング。高座にあがった経験も持つ。
柾木玲弥(まさき・れいや)/ポール
1995年生まれ。北海道出身。
2009年、JUNONスーパーボーイコンテストで審査員特別賞を受賞し、2010年に上京。
12年、フジテレビ「高校入試」でドラマデビュー。
ドラマ、映画を中心にキャリアを積み、15年~17年までの間に30作品以上に出演。
18年、テレビ東京「インベスターZ」でメインキャストを演じ、10月から放送された日本テレビ「今日から俺は!」の佐川役で一躍人気俳優となった。
今年2月には映画「バックストリートガールズ」も公開。
様々な役を繊細に演じ分け、その幅の広さから“カメレオン俳優”とも呼ばれる。
次世代のエースとして今後の活躍が期待される若手の1人。
舞台への出演は3年ぶりとなる。
松岡広大(まつおか・こうだい)/ジェラール
1997年生まれ。東京都出身。
2009年オーディションに合格し、芸能活動をスタート。
舞台・ドラマ・映画を中心に活躍中の注目若手俳優。
主な出演作は、舞台 ミュージカル『テニスの王子様2nd』(13~14)、ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』シリーズ(主演・15~)、劇団☆新感線『髑髏城の七人 Season月』(17~18)、浪漫活劇『るろうに剣心』(18)、『Boss&Police~ガケデカ後藤誠一郎~』(19)、ドラマ「ベイビーステップ」(主演・16)、「CRISIS」(17)、「兄友」(18)、映画「雪女」(17)、「兄友」(18)など。
今秋にはライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-~暁の調べ~』(主人公うずまきナルト役)再演が控えている。
馬場ふみか(ばば・ふみか)/アガート、ダルジュロス(二役)
1995年生まれ。新潟出身。
女優、non-no専属モデル。
2014年に映画「パズル」で女優デビュー。
「仮面ライダードライブ」(テレビ朝日)で敵女幹部・メディックを演じて話題となり、 映画「黒い暴動♡」で初主演。
ドラマ「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」3rd Season、映画「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」に雪村双葉役で出演し、注目を集める。
2018年10月クール『深夜のダメ恋図鑑』(ABCテレビ、テレビ朝日)古賀円役で連続ドラマ初主演。
ヒロイン工藤美夏役を務める映画「ライフ・オン・ザ・ロングボード2nd Wave」2019年5月31日より、全国公開。
デシルバ安奈(でしるば・あんな)
1986年生まれ。
神奈川県出身。
大学卒業後、会社員生活を経て芝居の道に入る。新国立劇場演劇研修所第7期修了。
舞台を中心に、ドラマ、映画、CMと幅広く活動中。主な出演作に『近藤良平のモダン・タイムス』、『あわれ彼女は娼婦』、『シンデレラ~踊る童話~』、CM:『サントリーアイスジン』など。
斉藤 悠(さいとう・ゆう)
1984年生まれ。
千葉県出身。
17歳でモデルデビュー。
2012年に映画『はなればなれに』で主演し、東京国際映画祭に参加。
近年の出演作としては映画:『凶悪』、『北の桜守』。
TV:『軍師 官兵衛』、『八重の桜』、『江』(NHK)。
舞台:『桜姫』、『ショーシャンクの空に』、『ロミオとジュリエット』、『わが町』、『国語の時間』、『悪魔を汚せ』、『TUSK TUSK』、『わたしは真悟』、『731』『豊饒の海』等がある。
内田淳子(うちだ・じゅんこ)
1967年生まれ。石川県出身。
1990年、立命館大学卒業後、劇作家松田正隆らと劇団「時空劇場」の結成に参加。
『紙屋悦子の青春』『海と日傘』など全作品出演。
97年の劇団解散後、『月の岬』(作・松田正隆、演出・平田オリザ)に主演し、団体として5回読売演劇大賞最優秀作品賞を授賞。
2003年京都市芸術文化奨励者。
自らプロデュースしたフランス人俳優ピエール・カルニオとの二人芝居『Jericho』(作・松田正隆、演出・三浦基)が故・太田省吾氏や舞踏家山田せつ子氏らの評価を受け、京都~東京~パリ日本文化会館での上演を成功させた。
この作品を機に05年『聞こえる、あなた?fuga#3』(作・演出・太田省吾)に出演。
ストレートプレイだけでなく、実験的パフォーマンスでも活動の場を広げる。
08年~13年までサイモン・マグバーニー演出『春琴』(谷崎潤一郎原作『陰影礼賛』『春琴抄』)に出演。
人形振りの身体表現で国内外の観客を印象づけた。
16年、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース公演『ルーツ』(作・松井周 演出・杉原邦夫)に出演。
真那胡敬二(まなこ・けいじ)
1953年生まれ。
石川県出身。
オンシアター自由劇場の中心メンバーとして1996年の解散までほぼ全作品に出演し、演出も手掛ける。
解散後は、プロデュース公演に多数出演する他、テレビ・映画にも活躍の場を広げる。
近年の出演作に、コクーン歌舞伎『天日坊』、『三人吉三』、『四谷怪談』、Grass919『ミッツァロのカラス』、まつもと市民芸術館『K.テンペスト』、座・高円寺『ジョルジュ』、シアターコクーン『漂流劇ひょっこりひょうたん島』、『メトロポリス』、『罪と罰』などがある。
出演者コメント
南沢奈央(エリザベート役)
白井さんの演出を受けるのは初めてです。
演出された作品は何度も観ていて、細部にわたって細やかに作りこまれて、計算されて一つの作品が創り上げられているのに感動し、いつか演出を受けられたらと思っていました。
ですので、今回ご一緒できてとても嬉しいです。
エリザベートはいろんな表情をもっているけれど、私は感情を表に出すことがあまりなく、そこが自分とは異なる点だと思います。
でも、弟が好きになった子に嫉妬しちゃったりする弟への愛情とかは、実際に弟がいる自分にもあったので、すごく分かります。
エリザベートと共感できる部分も演技に生かしていきたいです。
柾木玲弥(ポール役)
僕は舞台に出演するのは三年ぶりになりますが、繊細なポールという役を大切に演じていきたいです。
青白い肌と病的なところは似ているなと思います(笑)
今の段階では内面的なところはまだちょっと理解できていなくて、台本をこれからもっと読み込んでいきたいです。
あと500回ぐらい読まないと。こ
の姉弟が閉じこもった子供部屋の世界に、僕自身もこれから稽古で潜っていって、そこから感じとっていきたいと思います。
松岡広大(ジェラール役)
KAAT神奈川芸術劇場はお客さんとして観に来ていたので、そんな劇場で演じられるのは嬉しいですし、白井さんの演出を受けられるのは役者として光栄です。
ジェラールは友達たちのことを客観的に見ていて、ポールとも一線を越えないように距離感を保っている役柄です。
また、こうした思春期特有の距離感は僕も通ってきたなと感じました。
今、台本を読むのは三周目なのですが、もっと読み込んでジェラールを演じていきたいです。
馬場ふみか(アガート/ダルジュロス役)
製作発表の記事を拝見して「これを見よう!」と思っていたところにお話しがあり、まさか自分が出ることになるとは思いませんでした。
白井さんに直接面談していただいて、舞台出演が決まったときはとても嬉しかったです。
子供だからこその、むき出しの感情などが描かれている作品で、難しいとは思いますが、台本を沢山読んで大事に演じます。
共にポールから慕われる男女二役を演じますので、お客様にもきちんと魅力を感じてもらえるよう、演じ切りたいと思っています。
白井晃(演出)
芸術監督就任後から取り組んでいる近現代戯曲シリーズとしては初めての再演となる『春のめざめ』と、同じように思春期の生と性をテーマにした最新作『恐るべき子供たち』を連続で上演させていただきます。
「春のめざめ」はキャストが新しく加わったことで、またいろいろな新しいアイデアも出てくると思いますし、「恐るべき~」は姉弟の愛憎というか、愛情があるがゆえに関係が歪んでいく話で、南沢奈央さん、柾木玲弥さん、松岡広大さん、馬場ふみかさんといったキャストでお届けします。
また今回「恐るべき子供たち」の上演台本をノゾエ征爾さんにお願いしましたが、ノゾエさんは必ず台本に演劇的な仕掛けを入れて来られるので、コクトーのこの著名な小説が、演劇ならではの表現でどのように上演できるか楽しみにしています。
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『恐るべき子供たち』
原作
ジャン・コクトー
[コクトー 中条省平・中条志穂:訳「恐るべき子供たち」/光文社古典新訳文庫)]
上演台本
ノゾエ征爾
演出
白井晃
出演
南沢奈央、柾木玲弥、松岡広大 馬場ふみか
デシルバ安奈、斉藤悠、内田淳子、真那胡敬二
会場
KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
公演日程
5月18日(土)~6月2日(日)
(プレビュー公演2回、本公演14回、計16回公演)
チケット料金
プレビュー公演(5月18日(土)・19日(日)):5,000円(各種割引料金はございません)
本公演 一般:6,500円、U24チケット(24歳以下)3,250円、高校生以下割引(高校生以下)1,000円、シルバー割引(満65歳以上)6,000円
(全席指定・税込)
チケット取扱
チケットかながわ:0570-015-415(10:00~18:00)
http://www.kaat.jp/
各プレイガイド
窓口
KAAT神奈川芸術劇場2F(10:00~18:00) ほか
企画製作・主催
KAAT神奈川芸術劇場
著作権代理
(株)フランス著作権事務所
ジャン・コクトー委員会会長 ユーグ・シャンボノ氏提供
お問い合わせ
チケットかながわ:0570-015-415(10:00~18:00)
『恐るべき子供たち』あらすじ
美しくも残忍で傲慢な姉エリザベートと、青白い肌の美しい弟ポール。
ある日、雪合戦の最中、憧れの同級生ダルジュロスが投げた雪玉がポールに命中し怪我を負う。
ポールの友人・ジェラールは、ダルジュロスが故意に雪玉に石を入れたと主張するが、ポールはダルジュロスをかばう。
その怪我が原因で、ポールは学校に通うことが出来なくなり、家で自由気ままな日々を送る。
病気の母が亡くなり、モデルとして働き始めたエリザベートは、モデル仲間のアガートを時折家に招くようになる。
ポールはダルジュロスに似たアガートに密かに思いを募らせるが、姉に悟られまいと、あえて彼女を邪険に扱う。
やがて、エリザベートが、亡くなった夫の莫大な遺産を継ぐと、エリザベート、ポール、ジェラール、アガートの4人の奇妙な生活が始まる。