<ゲネプロ&囲み会見レポ>凰稀「本当に見えていないから、本当にぶつかっているので、いい身体になってます(笑)」加藤和樹・凰稀かなめ ダブル主演!サスペンス劇の最高傑作『暗くなるまで待って』本日より上演開始
『暗くなるまで待って』は、1966年にフレデリック・ノットが書き下ろし、ブロードウェイで初演されたサスペンスの傑作、アパートの一室で繰り広げられる密室のミステリー。
1967年にはハリウッドで映画化され、大ヒット!日本でも何度か上演され、手に汗握る展開や、衝撃のクライマックスが大きな評判を呼び、演劇ファンの喝采を浴びている。
日本では今回が2009年以来、約10年ぶりに加藤和樹・凰稀かなめ ダブル主演で本日、池袋・サンシャイン劇場にて上演が開始する。
この上演に先駆け24日に同所にて、ゲネプロの公開と囲み会見が行われた。
囲み会見
初日を迎えるにあたり、心境はいかがですか?
加藤和樹)稽古を重ねてまいりまして、ひとつひとつ色んなチャレンジをみんなでして、さっきまで試行錯誤しながらやってきました。
正直、どうなるか分からないなって。
それはいい意味でも悪い意味でもなのですが、やっぱりお客さんが入って実際に劇場空間になってみないと分からないところもあるので、果たしてこの舞台がどう見えるのかというプレッシャーも感じています。
でも、いい緊張感でもあります。凰稀かなめ)今日の舞台稽古まで色々と変更点がありまして、でもそれはもっともっと良くするためにスタッフの方々や出演者のみんなが色々と言い合いながら作ってきた舞台になっております。
私自身、サスペンスの舞台は初めてですので、お客様がどういう反応を頂けるのかまったく分からないので、かなりドキドキはしているんですが、その世界に引き込めるように自分自身も楽しんでやれたらという気持ちでいっぱいです。高橋光臣)まずはここまで稽古してきて、このメンバーで出来てすごく楽しかったので、それをお客様に感じて頂けるんじゃないかなと思っています。
暗闇の中、音が敏感な舞台なので、お客様の咳とか目だってしまうと思います。
それだけ静寂がテーマになってくるので、来ていただいたお客様も一緒に楽しんでもらえたらと思います。猪塚健太)1ヵ月ちかく稽古をしてきて、昨日から舞台稽古が始まったんですけど、照明とか音とか、あと皆さんの芝居を含めて、凄いものが出来たなという確信を得たので、観に来た人を早くゾクゾクさせたいですね。松田悟志)珍しいくらいに同世代が集まって、世代の幅が狭い出演者の作品だなと思っておりまして、そういう作品が初めてなものですから、どのような稽古で劇場に入っていくのかなと思っていたんですけど、ある種クラスメイトのような仲間意識が芽生えて、些細な事でも積極的に話し合う素敵な現場になっていますので、このチームワークが舞台の上でどのように花開くか、それがそのまま緊張感に繋がっていきますのでスタッフキャスト一丸となって作っていきたいなと思います。深作健太)この作品は一昨年に亡くなられた演出家の青井陽治先生や美術の朝倉摂さんはじめ、多くの先輩たちが作ってきた作品で、それをいま自分がこうして演出させていただくのが喜びと同時にすごくプレッシャーを感じています。
しかし、信頼すべきは素晴らしい役者さんたちで、デビュー作以来ずっと一緒の戦友と思っています加藤君や、今回初めてご一緒するのですがとっても頼りになる凰稀かなめさんはじめ、皆さんで一緒に作っている感じがする作品ですので、このカンパニーの暖かさをそのまま舞台上に持っていければなと思っております。
いまはドキドキしながら良い感じに作品が仕上がっていますので、あとは一刻も早くお客さんにこの作品をお渡ししたいなと思っております。
ラストに暗闇の中で演じられるお二人にお聞きしますが、実際に苦労はありますか?
加藤)先ほど光臣さんが仰ってたように、暗闇になると人って耳がとても過敏になるんですね。
なので、音ひとつひとつ、自分の足音だったり呼吸など、普段芝居中でも意識はするんですけど、より繊細にそこは意識していかないといけないと、気付きました。
観てる側とやる側では緊張の度合いというか、思った以上に中では繊細な事をやっているなと。
見えてないからこそですね。それをすごく感じます。
凰稀)本当に動き回っているんですよ、真っ暗闇の中でね。
でも私はずっと目が見えない役なので、実は暗闇の方がすごく楽で、逆にライトが当たっている方が見えないというか、霞んで見えるんですよね。
・・・です!
(出演者爆笑)
高橋)カッコイイもう。潔さがすごかったよ。
盲目の役を演じるうえで、難しい事や気を付けていることはありますか?
凰稀)あんまりもう、明るくなったりとか暗くなったりっていうのが、ちょっとよく分からなくなってきて。
加藤)本当に見えてないんですよ。
凰稀)本当に見えていないから、本当にぶつかっているので、いい身体になってます(笑)
猪塚)アザだらけですもんね。
加藤)こっちが心配になるレベルですよ。
稽古の序盤からでしたもんね。
松田)舞台からはける時もずっと見えない芝居で出ていきますしね。
加藤さんは今回の舞台で初めて本格的な悪役をやられますが、何か感じるものはありましたか?
加藤)あの、、、分からないんですよね。
分からないというのは、未だに役のロートの本質が何処にあるのかっていうのが、毎回変化していくんではないかなって感覚になっていて。
悪い人をやろうってしているのではなくて、彼を掘り下げれば掘り下げるほど色んな表現の仕方があるなって。
彼の人格形成をしているものは何なのか、どんどん出てくるので、やればやるほど、どれも間違えじゃないし、でもどれも正解じゃないような気がしていて。
だから今回はそこが面白いなと思っています。
掴めるようで掴めない、それを思い続けるんだろうなって感覚ではあります。
高橋さんは今回の役が久しぶりの二枚目の役とお伺いしましたが、実際に演じてみて如何ですか?
猪塚)久しぶりの?(笑)
高橋)普段から面白いことが大好きなので、ついついやってしまうんですけど、この芝居に関しては舞台上で封印しなければならないので、とにかくそのストレスはハンパないです!
(会場爆笑)
加藤)(ストレスを)感じてるんですね!感じてるんですね!
高橋)ただマイクという人がすごく面白い人で、詐欺師という設定なのですけど、すごく全うというか常識人のような。
まともな職業だからまともな人かというとそれも違うし、犯罪者だから悪い人かと言われたら、悪い事をしながら実はいい事もしているような人も居るし、ちょっとマイクは掴み処のない役だなというのはやりながらずっと感じながらやっているので、それをスージーがどういう風に感じてくれるのか舞台上で1日1日楽しみにしようかなと思います。
見どころと意気込みをお聞かせください
加藤)何分ここにいるキャストと楽屋にいるキャストを含めて、少ない人数でやってますし、でも一人ひとりちゃんと意味というか役割りがありますし、特にスージー(凰稀)なんかはグローリア(黒澤美澪奈)という少女が居なければこの芝居は成り立たないし、その中で(自分は)悪い奴ですけど、悪い奴は悪い奴なりに頑張ろうかなって思っています。
それぞれの生きてきた過程だったりが見どころかなと思います。
もちろん、この『暗くなるまで待って』というタイトルなので、暗闇での対決というのも見どころではあるんですけど、一人ひとりの人間性というか、そういうものも感じてもらえればいいなと思います。
凰稀)暗闇のこともそうなんですけど、私は人と人との関わり合い、私自身はグローリアとの関わり合い、サム(松田)とマイク(高橋)、ロートさん(加藤)は分からないけど、人と人との関わり合い、その間に生まれてくるものがそれぞれあって。
この作品で一番大切な事って、サムが最初に「いい子ね、ありがとう」って言ってあげたらいいよって、その言葉でグローリアも変わっていって、マイクもその言葉によってまた違う気持ちが現れていったり、そういう物がどんどん伝染していく、そういう流れがあったら面白いかなと思ってみたりしました。
公開ゲネプロ
Story
盲目の若妻・スージーの夫サムが持ち帰った(麻薬が仕込まれた)人形を、怪しい男3人(ロート・マイク・クローカー)が奪おうと狙っています。
3人は次々とスージーの家を訪ずれ、人形を手に入れるため、言葉巧みに騙そうと、と手を尽くします。
奇妙な心理戦が続き、やがて、彼らの言動に不審を抱いたスージーは、少女グロ―リアの協力を得て、男たちの正体を次々と暴いていきます…。
しかし、凶悪なロートの魔の手がスージーに迫り、絶体絶命、遂に真っ暗闇の中、最後の対決を迎える。
『暗くなるまで待って』
作
フレデリック・ノット
訳
平田綾子
演出
深作健太
出演
加藤和樹 凰稀かなめ/高橋光臣 猪塚健太 松田悟志
黒澤美澪奈 九内健太 橋谷拓玖
公演日程
◇東京公演:2019年1月25日(金)~2月3日(日) 【サンシャイン劇場】、
◇兵庫公演:2019年2月8日(金)~10日(日) 【兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール】
◇名古屋公演:2019年2月16日(土)~17日(日) 【ウインクあいち】
◇福岡公演:2019年2月23日(土) 【福岡市民会館 大ホール】
企画・製作
日本テレビ