普段使いのFacebookで災害時の情報共有を!<ぎゅっとぼうさい博 レポート2>

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安否確認の次に必要なものを。新機能「コミュニティヘルプ」

Facebookが 利用者に様々な方法で使用されていることから私たちは多くの学びを得ております。
例えば 利用者の方が、Facebookを家族や友達と災害時の安否確認に使用していたことから、2014年に「災害時情報センター」を 日本発の機能として世界に先駆け発表しました。
その後、安否確認機能は何百回も使用されてきましたが、 人々の助け合いをよりサポートできるのではと考えました。

「コミュニティヘルプ」では、支援を必要とする人や支援を提供できる人など利用者の間で直接メッセージを送り連絡を取り合うことができます。
また、必要物資や支援の方法を簡単に発見できるよう、物資の種類や場所によって、投稿・閲覧できる仕組みになっています。

Facebook「災害時情報センター」に食料や避難場所を探せる新機能「コミュニティヘルプ」を追加

Facebook広報担当 下村祐貴子さんインタビュー

Facebookブースに展示していたパネル
Facebookのブースで案内をしていた広報担当の下村祐貴子さんにお話しをお伺いしました。

「災害時情報センター」が出来た経緯を教えてください

2011年の東日本大震災が発生した時に、Facebook上で「大丈夫?」って言う安否確認のコミュニケーションが多く行われていたんですね。
それを受けて開発の着手が行われ、日本発の機能として2014年10月にリリースいたしました。

先日、また新しい機能が追加されましたね

(c)Facebook
はい、2月8日に「コミュニティヘルプ」という機能が追加されました。

「コミュニティヘルプ」は「災害時情報センター」の機能に加えて、災害発生後に利用者が必要とする食料や避難場所、移動手段を利用者同士で情報提供あるいは情報リクエストが出来るようになります。

例えば、赤ちゃんのおむつが欲しいと思えば「baby supplys(赤ちゃんのもの)」をクリックすると、その情報を見た友達や利用者と繋がりが無い人でも、ユーザーに直接連絡することが出来るようになります。
そうなる事によってリアルタイムに情報のリクエストと提供が可能になるので、以前に起きてしまった避難物資が必要ないタイミングで大量に届いてしまったりすることが少なると思っています。

いま欲しいものをリクエスト出来るのはありがたいですね

必要とするものは時間とともに刻々と変わっていくんですね。
最初は食べ物やトイレなど、次にシャンプーやおむつなど、あとはペットに関するものですね。
ペットの避難場所とか預かってくれる人を見つける事が出来るようになります。

「コミュニティヘルプ」も日本発の機能ですか?

「災害時情報センター」は確かに日本発の機能ですが、「コミュニティヘルプ」については世界中で天災だけではなくテロなどもありますので、グローバルで使える機能になっています。

筆者の両親もFacebookをやっていて私が実家を出ているので、Facebook上で動きがあると生きてるんだなってお互いに把握しあってます

日常でもそのような使われ方をしてるユーザーも多いのですが、災害時はほんとにリアルタイムでその確認が必要になりまして。
電話ですと繋がりにくくなってなかなかできませんが、「災害時情報センター」ですとインターネットが繋がる環境にあれば簡単に確認することが出来ます。

Facebookが強いのは、世界で18億人のユーザーがいるんですね。
という事は、プラットフォームとしてしっかりとしているので、サーバーがダウンすることが極々稀にあるか無いかなんです。
ですので災害が発生してしまった時に、Facebookは頼れるものになっているんではないかと思っています。

Facebookがこのような使われ方をするとは想定していなかったですよね?

そうなんですよ!
当初は昔の繋がりの友達とか、遠くにいる家族との繋がりとか、海外にいる友達との繋がりとかだったんです。
月日が経つとプラットフォームとしてどんどん進化をしていて、利用者の方が思いもよらない使い方をしてくれているんですよね。
例えば3.11の時がそうでしたが、それをFacebookはすごく注視していて、それだったら特化した機能を作ろうと始まりました。
Facebookではユーザーのニーズに合わせていつもいつも機能展開をしていくのが特徴ですね。

常日頃使っているものが災害時のツールになるのはいいですね

いろいろと災害に関するアプリだったりサイトがあったりしますが、いざ使うとなった時に使いこなせるか、そしてそれを相手が使っているのかって問題がありますよね。
Facebookのアカウントが日本だけで2700万、そして傘下にあるインスタグラムでは1600万ものアカウントがあり、多くの方にお使いいただいています。
スマホ人口から考えると大多数の方がご利用になられていることになります。
そのプラットフォームだと、皆さん使い方を分かってらっしゃるし、友達との繋がりも濃くてらっしゃるので、日常的に使い慣れているので「いざ」と言う時にすんなり使っていただけますよね。

デマや悪意が無い間違った情報についての扱いはどのような対応をしてますか?

Facebookはフェイクニュースやフェイクコンテンツへの取り組みに注力していて、不思議な動きをするコンテンツなどをシェアしようとした時に、セキュリティの警告が出るようになっています。
警告が出ると、シェアしようとしたユーザーさんは「おかしいのかな?」と気が付いていただいて、拡散して良いものか少し考えていただけるようになるのではないかと。
そうなれば、お互いでチェックが働いて正しいコンテンツを拡散してもらえると思いますね。

「災害時情報センター」が立ち上がらないことが一番ですね

本当にそう思います。災害が起きないことが願われます。
ただ、もし災害が発生した時に「災害時情報センター」があると知っていただけていたら、災害の後の生活の立ち上がりが違うと思うので、これからもっと認知を広めていきたいなと思ってます。

今後の課題などはありますか?

「コミュニティヘルプ」は立ち上がったばっかりでまだ起動はしていないのです、どのように使われていくかを精査していく必要があります。
これらの機能は人の善意によって成り立っておりまして、悪意で使われないことを願います。
ですので、この事はこれからも注視してまいります。

Facebookは安全で頼れる存在として人と人との繋がりをサポートしていきたいですし、そこがきちんと担保されるような機能をどんどん発表していきたいなと思います。

--お時間をいただきまして、ありがとうございました。


日常的に使っているものが災害時に役に立つ。
今回の「ぎゅっとぼうさい博」を取材をしていると、災害が発生した時に災害支援活動を行い、そこでの反省点を踏まえて次回の行動に生かす。
これをずっと繰り返し、次回の災害支援活動がより良いものになるようにとブラッシュアップをしているとの事でした。
災害支援活動を必要としない小さな事象、例えば地震、台風、事故などが起きた時に、Facebook上ではユーザー同士で安否確認が行われていたり、サポートをしていたりと何かしら普段と異なる行動を取っていないでしょうか?
その状況そのデータを分析することで、大きな災害が発生した時に人はどのような行動を取るのか、そして何を必要としているのかが解明されやすくなり今後の機能向上や新機能に繋がっているものと考えます。
ユーザーがシステムを鍛え、そしてユーザーに還元される。
常日頃使っているものだからこそ、出来ることなのかも知れません。

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