<ゲネプロ写真&コメント>宮沢りえ、磯村勇斗が演劇賞を総ナメし画劇界を席巻した伝説の戯曲「泥人魚」を18年ぶりに再演!Bunkamura シアターコクーンにて明日開幕

ステージBunkamura, 劇場, 渋谷, 舞台


『泥人魚』は、2003年4月「劇団 唐組」により初演され、第五十五回読売文学賞 戯曲・シナリオ賞、第三十八回紀伊國屋演劇賞(個人賞)、第七回鶴屋南北戯曲賞、および第十一回読売演劇大賞 優秀演出家賞を受賞し、「独特の詩情と叙情とユーモア。
すぐれた劇詩人で舞台の魔術師、唐十郎の集大成」と井上ひさし氏が絶賛した傑作戯曲である。

初演以来18年ぶりの上演となる、演劇史に残る傑作の演出を務めるのは、唐十郎、蜷川幸雄の両虎を師とし、アンダーグラウンド演劇に真正面から取り組んできた劇団・新宿梁山泊主宰の金守珍。
16年シアターコクーン芸術監督・蜷川幸雄の遺志を継ぎ、森田剛、宮沢りえ、荒川良々という布陣で上演された追悼公演『ビニールの城』、19年窪田正孝、柚希礼音をW主演に迎え、耽美なビジュアルとダイナミックな演出で見事に唐の世界観を描きだした『唐版 風の又三郎』に続き、シアターコクーン3作品目となる演出に挑む。

現代のアングラ演劇界のミューズ・宮沢りえ、唐作品初参加の磯村勇斗、愛希れいか、そして重鎮・風間杜夫など豪華キャストが集結

『下谷万年町物語』(12)、『盲導犬』(13)、『ビニールの城』(16)に続き、本作が4作目の唐作品への出演であり、現代のアングラ演劇界のミューズと呼び声の高い宮沢りえが、19年の『死と乙女』以来約2年ぶりに舞台に登場。

共演に、NHK大河ドラマ『青天を衝け』の徳川家茂役でも話題となり、いまや若手実力派俳優の中でめざましい活躍を遂げる磯村勇斗。
宝塚歌劇団月組トップ娘役として人気を博し退団後は舞台を中心に活躍、本作で初のストレートプレイに挑む愛希れいかが共に、唐作品に初挑戦。

19年の『唐版 風の又三郎』で唐作品に初参加ながら、金演出に深い感銘を受け、テント芝居へも出演するなど飽くなき探求心の持ち主・風間杜夫が初演の唐十郎が演じた役で。
更に、岡田義徳、大鶴美仁音、渡会久美子、広島光、島本和人、八代定治、宮原奨伍、板倉武志、奈良原大泰、キンタカオ、趙博、石井愃一、金守珍、六平直政と、曲者が結集した。

明日12月6日(月)からの開幕を控え、5日、上演されるBunkamura シアターコクーンにてゲネプロを報道陣に公開した。
上演は、12月29日(水)まで同所にて行われる。

コメント

宮沢りえ(みやざわ・りえ)

1973年4月6日生まれ 東京都出身
金さんを始め、キャスト、スタッフのみんなが、唐さんの戯曲を、言葉を握りしめ突き進んで来た稽古を経て、遂に皆さんの前でお披露目する時が来たことに緊張と興奮が溢れてます。
劇場という空間に観に来てくださった皆さんの心の中を泳げるよう、千秋楽まで、心震わせ惜しみなく頑張ります!

磯村勇斗(いそむら・はやと)

1992年9月11日生まれ 静岡県出身
本番が始まってようやくこの作品が見えてくる気がします。もちろん、稽古場でお客様に楽しんで頂けるところまでは作り上げていますが、幕が上がったあとは皆さんと共に日々変化を遂げる作品だと感じています。
唐さんの世界とお客様の世界を繋ぐのが僕達の役目なので、観てくださる方の空気を感じながら出演者一同楽しんでお届けしたいと思います。

夢の中のようなファンタジーの世界へと導かれたと思ったら、突然現実を突きつけられる。
それはまるで長崎の「ギロチン堤防」のように。
物語が急変する。
その波が行ったり来たりと舞台上を駆け回る中、でもそこには唐さんの描く「美しさ」「純粋さ」が波飛沫となってお客様の心に届くのではないかと思います。

愛希れいか(まなき・れいか)

1991年8月21日生まれ 福井県出身
約一か月のお稽古でたくさんたくさん悩みました。
正直、まだまだお稽古が足りない…と思ってしまいますが、みなさんと切磋琢磨した時間を信じて、舞台に立ちたいと思います。
この作品は、言葉では上手く表現できないので…是非劇場に体感しに来て頂きたいです!!!
そして舞台を観て少しでも皆様に元気になって頂きたいです。
心に響く舞台になるよう、全身全霊をささげます!
どうぞ宜しくお願い致します。

風間杜夫(かさま・もりお)

1949年4月26日生まれ 東京都出身
稽古は、怒涛のような日々だった。
唐十郎の世界を誰よりも美しく感動的に伝道したいと、全身全霊で舵を取る金守珍の姿が、役者たちを惹きつけてひとときも離さなかった。
その金さんの目指す高みにみんなが食らいついて、瞬く間に表現が豊かになっていく様は、役者として肝になるところの自由と開放を得たのではないかと思える。
作品の全編が見どころというしかないだろう。
幕が上がってから降りるまでのあらゆる瞬間が、刺激に満ち満ちている。
お客様には、アングラと呼ばれる舞台の神髄を観て頂きたい。
その演劇的興奮が、生命力になることを信じて疑わない。

演出:金守珍(きむ・すじん)

1954年11月23日生まれ 東京都出身
先ずは、Bunkamura シアターコクーンでの唐作・「泥人魚」は公演成功間違え無しと確信しています!
なぜならば台本の素晴らしさはもちろんのこと、キャスティングが完璧なので、悩むところなく演出をすることが出来ました。
特に宮沢りえさんや六平直政氏からの豊富なアイデアにも助けられ、とても楽しい、笑いの絶えない稽古場でした。

見どころは、風間杜夫氏演じる劇詩人の作るユーモラスな世界と宮沢・磯村両コンビの演じるピュアな世界が相まって表現される、唐ワールドのたとえようもない美しさです。
また、蜷川幸雄師匠からの「幕開き3分勝負!」も実行しています。
コロナ渦で鬱屈した毎日が続いていますが、それらを洗い流してくれる聖水をぜひ浴びに来てください!

ストーリー

港の町を去って、今は都会の片隅にあるブリキ店で暮らす蛍一(磯村勇斗)。
店主の静雄(風間杜夫)は、まだらボケの詩人だ。
陽が落ちると急にダンディな夜の詩人と化す。
ある時店に現れたのは、詩人を「先生」と呼ぶ男、しらない二郎(岡田義徳)。
二郎は詩人静雄の元門下生であり、蛍一とは、長崎の諫早漁港で共に働いた仲だった。
干拓事業の賛否に揺れる漁港では、湾を分断する「ギロチン堤防」が内側の調整池の水を腐らせ不漁が続き、池の埋め立てに反対だった仲間の漁師が、次々と土建屋に鞍替えしていく。
そんな現実に絶望した蛍一は、港の町を去ったのだ。
一方の二郎は、実は港に派遣された「さぐり屋」だった。
依頼主は、月の裏側を熟知しているとのたまう女、月影小夜子(愛希れいか)。
二郎の裏切りを蛍一がなじっていると、蛍一を探して、やすみ(宮沢りえ)という女が現れる。
少女時代、ガンさんという漁師に海で助けられ、その養女となった娘だ。
「ヒトか魚か分からぬコ」と呼ばれるやすみは、ある約束を果たしに来たと言う。
「人の海の貯水池で、言ったとおりの人魚になれ」と。
蛍一の前で見せた片方の足には、一条のきらめくものがはりついていて──。

COCOON PRODUCTION 2021『泥人魚』

唐十郎

演出

金守珍

出演

宮沢りえ 磯村勇斗 愛希れいか 岡田義徳
大鶴美仁音 渡会久美子 広島光 島本和人 八代定治
宮原奨伍 板倉武志 奈良原大泰 キンタカオ 趙博
石井愃一 金守珍 六平直政 風間杜夫

公演期間

2021年12月6日(月)~12月29日(水) 全28回

会場

Bunkamura シアターコクーン

チケット料金

S席 11,000円、A席 9,900円、コクーンシート 5,500円(全席指定)
※コクーンシートは特に見づらい席となっている。

スタッフ

音楽:大貫誉
美術:大塚聡
照明:泉次雄
音響:友部秋一
衣装:伊藤佐智子
ヘアメイク:新井健生
映像:大鹿奈穂、石原澄礼
殺陣:佐藤正行
美術助手:岩本三玲
演出助手:加藤由紀子
舞台監督:幸光順平
宣伝美術:榎本太郎
宣伝写真:江森康之
宣伝衣装:伊藤佐智子
宣伝ヘアメイク:稲垣亮弐
宣伝広報:ディップス・プラネット