オクラホマ大学と共同開発!新型360度雨雲3次元分布観測レーダー「EAGLEレーダー」を量産へ<ウェザーニュース>

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© Weathernews Inc.

株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、6月22日、Nanowave Technologies Inc.(本社:カナダ・トロント、代表取締役社長:Justin Miller、以下、Nanowave社)と気象観測用の新型マルチビームレーダー「EAGLEレーダー」の量産に関する覚書を締結したと発表。

ウェザーニューズは、2014年よりオクラホマ大学と共同で新型マルチビームレーダーの開発を行っていた。

この新型マルチビームレーダーは、周囲360度を高速スキャンし雨雲の3次元分布を観測でき、半径50km以内の積乱雲の発達状況をほぼリアルタイムで捉えられるため、突発的かつ局地的に発生するゲリラ雷雨や突風の予測に有効になる。

来春から計200台の生産を計画しており、ウェザーニューズの観測インフラとして展開する予定。
首都圏に関しては2020年までに設置を完了させ、気象現象の監視体制を強化を図る。

新型マルチビームレーダー「EAGLEレーダー」

気象観測用新型マルチビームレーダー
「EAGLEレーダー」
(c)Weathernews Inc.
「EAGLEレーダー」は360度全方位を高速スキャンすることで、反射強度から雨雲の分布を立体的かつほぼリアルタイムに観測できるウェザーニューズ独自の気象レーダー。

10秒ごとに1回転しながら2仰角を同時にスキャンし、半径50kmの詳細な3次元観測データを30秒で得ることができるようになる。

従来のレーダーでも仰角を変化させながら少しずつ回転させることで、立体的に観測することもできたが、全方位を3次元で観測するには10分程度かかるため、急激な変化を伴う現象を捉えることは困難だった。

ウェザーニューズの予報センターは、ゲリラ雷雨や突風のほか、ひょうやあられの観測に「EAGLEレーダー」を活用し、予測精度の向上をさせていく。

「WITHレーダー」から「EAGLEレーダー」へ
~2020年に向けた万全な観測システムを構築~

仙台空港を監視する「WITHレーダー」
(c)Weathernews Inc.
ウェザーニューズは2009年に小型気象レーダー「WITHレーダー」を開発して、全国80カ所に設置。
ゲリラ雷雨や突風の観測に活用している。

6秒間隔で雲の断面を鉛直方向にスキャンできる点が優れており、雨雲の発達度をほぼリアルタイムに観測が可能になった。

ただ、観測範囲が120度に限られており、雨雲を発生初期から捉えるには満足できない部分があり、2020年に向けて万全な観測システムを構築するべく、「WITHレーダー」の後継機となる「EAGLEレーダー」の開発に着手した。

来春より量産開始、Nanowave社と覚書締結

覚書締結の様子
左:Nanowave Technologies Inc. 代表取締役社長 Justin Miller氏
右︎:ウェザーニューズ 代表取締役社長 草開 千仁氏
(c)Weathernews Inc.
日本時間22日6時(現地時間21日16時)、アメリカのオクラホマ大学内にて、Nanowave社とレーダーの量産に関する覚書を締結。

Nanowave社は、カナダ・トロントを拠点として、航空宇宙向けの電子機器やシステムを設計・製造している企業。
量産化のための技術開発を経て、2018年春より、Nanowave社のオクラホマ工場で200台を生産する計画に。
レーダーは日本やアジアを中心に順次設置していく予定で、特に首都圏については2020年を見据え、重点的に気象現象の監視体制を強化していく。

Nanowave Technologies Inc.について

Nanowave Technologies Inc.(ナノウェーブ・テクノロジーズ)は、カナダのトロントを拠点にマイクロ波・ミリ波や、電子/光装置、サブシステムの設計・製造を行っている企業で、RF(Radio Frequency、高周波信号)や電気光学センシング、通信ソリューションの開発に関する専門知識を強みとしています。1992年に設立し、品質や信頼性に優れた電子製品の開発・設計からメンテナンスまでサポートしている。

Nanowave Technologies Inc. URL:http://www.nanowavetech.com/


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